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八重樫と清水、消えぬベテラン魂 世界挑戦へ前進

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2018/8/22 6:30
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30代のベテランボクサーが頑張っている。元3階級制覇王者の八重樫東(35)と2012年ロンドン五輪銅メダリストの清水聡(32)。大橋ジム所属の2人が8月17日に東京・後楽園ホールのリングに上がり、八重樫は負ければ進退問題もちらつくサバイバル戦で逆転KO勝利。清水は7月の西日本豪雨で岡山県の実家が流される悲しみを乗り越え、こちらも7連続KOを飾った。世界挑戦に向け、まだまだ若い選手には負けられない。

「お互いに年齢も年齢。引けない勝負で自分の強さが生きると思っていた」。スーパーフライ級10回戦で行われた激闘をこう振り返ったのは八重樫だ。

向井(右)を攻める八重樫。7回TKOで勝利した=共同

向井(右)を攻める八重樫。7回TKOで勝利した=共同

対戦相手の向井寛史(32、六島)は2度の世界挑戦の経験がある実力者。リングサイドには南京都高校の同級生、世界ボクシング協会(WBA)ミドル級王者の村田諒太も応援に駆けつけた。八重樫のみならず、向井にとっても負けられない一戦だった。

体格で上回るサウスポーの向井に対し、3階級下のミニマム級から上がってきた八重樫は徹底して接近戦を仕掛ける。ときにはラフに頭から突っ込みながら、向井が得意なアウトボクシングを封じようとした。

大橋会長「タオル投入も考えた」

試合が大きく動いたのは6回だ。向井の左ストレートからの連打に八重樫は棒立ち、さらに大きく後退した。「(棄権の意志を示す)タオル投入も考えた」と大橋秀行会長が振り返ったほどの窮地。しかし、ここで歴戦の雄が底力を見せる。

大きく振りかぶった右スイングが、攻め疲れのみえた向井の顔面を急襲した。動きの止まった向井を連打で攻め込み、一気に形勢逆転だ。

「向こうのメンタルが弱っているのがわかった。自分も苦しいけれど、ここは踏ん張りどころ」と、八重樫は続く7回に勝負に出た。休まずに左右のアッパーやフックを交えた連打。反撃できなくなった向井をレフェリーが助け出すと、八重樫は拳を天に突き上げた。

これぞ「激闘王」の真骨頂というような熱きファイト。満員の観衆の記憶にまた一つ、八重樫の名勝負が刻まれた。試合後の所信表明もファンの胸を打った。「ボクシング、最高ですね。まだ、もう少しだけボクシングをしたいので、応援よろしくお願いします」

八重樫の前にリングに上がった清水もまた、重いものを背負った一戦だった。7月初旬の西日本豪雨で岡山県総社市の実家が流された。数日後に戻った故郷で目の当たりしたのは、跡形もなくなった実家。「ぼう然とするしかなかった」。ガレージだけが残ったが、アマチュア時代からの賞状やメダルなど思い出の数々も「ほとんど流されてしまった」。

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