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エンゼルス大谷、増えたフライ系打球の「吉凶」
スポーツライター 丹羽政善

(3/3ページ)
2018/8/20 6:30
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しかし、7月は6割ちょうど。10本のライナーをたどると、そのうちの4本が野手の正面をついたり、ファインプレーに阻まれたりするなどしていた。ということはこの月、大谷はある意味「不運」であったともいえる。

では仮に、この4本がすべてヒットになっていたとしたら? 月間打率は2割6分6厘となり、5~6月を上回る。

打数がそれほど多くないため、4本の違いで打率が大きく変動するのだが、この7月はやはり極端に悪いとはいえない。むしろ、それまでと比べて打球に角度がつきつつあることはポジティブな要素であり、8月はその延長線上にあるといえるのかもしれない。

大谷も「(7月以降、打球に角度がつくようになったのは)たまたまではないと思います」と話し、こう続ける。

「やっぱりいいスイングをしているときは、比較的、打球が上がりやすい傾向があるんじゃないかなと思います。それはどのバッターも一緒だと思うんですが、その方が(ボールとの)接点も多くなりますし、いい傾向だなと思っています」

とはいえ、もちろん、運、不運だけでは説明がつかない。併せて注目すべきは三振の比率だろう。6月まではいずれも25%台だが、7月は32.9%に跳ね上がっている。今月も決して低くはなく、同じ傾向が続く。

大谷は三振する比率が増える傾向にある=USA TODAY

大谷は三振する比率が増える傾向にある=USA TODAY

せっかく打球が上がり始めたのに、三振が増える――。

奇遇にもこのことは、打球の初速と角度を重視する昨今の「フライボール革命」の流れをなぞっている。

ゴロは内野シフトの成熟もあり、ヒットになりにくい。逆にフライを打った方がOPSなど得点に直結する数字を底上げする効果があることが証明され、角度を上げることを意識する中でスイングも変化。近年の本塁打増はそこに一因があるが、伴って三振数も増えた。今季は過去最高を更新する勢いだ。

大谷にもその傾向が当てはまる。だが、その裏にスイング軌道の変化があるのだとしたら、バットのどこに当たるかで全く打球方向が異なることも含めて、やはり一度じっくりと検証してみたいところである。

おのずとフライ系の打球が増えたことの吉凶も、浮かび上がるはずである。

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