2018年11月20日(火)

能登の祭りネット配信 存続危機感、魅力気付いて

2018/8/18 10:18
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石川県能登町の祭りを写真や動画で配信している男性がいる。能登町出身で現在は金沢市に住むウェブデザイナーの辻野実さん(36)だ。高齢化と人口減少が続く能登町。祭りもかつての活気を失いつつあり、存続に危機感を覚えて3年前から始めた。「地元を離れた人にも魅力に気付いてもらい、盛り上げられれば」。そんな願いを込めている。

「あばれ祭」を写真や動画でネット配信するため、会場を訪れた辻野実さん(石川県能登町)=共同

巨大な木製灯籠を担いだ人々が燃え盛るたいまつの周りを回る「あばれ祭」、小学生の男児が着物を着て女装する「白丸曳(ひき)山祭り」……。辻野さんが立ち上げたサイト「ノトノワイルド」では、7つの祭りが取り上げられている。

能登町によると、同町では年間100以上の祭りが行われる。だが、昨年10月時点で町の人口に占める65歳以上の高齢者の割合は47.6%。県内市町で2番目に高く、祭りの参加者も減っている。

大阪府内の大学に進学した辻野さんは、そのまま大阪市内のマーケティング会社に就職したが、転機は2007年だった。会社が東京本社に一本化される話が出た後に、能登半島地震が発生。両親らが暮らす能登町の実家にすぐに駆け付けられず、県内へ戻ることにした。

それから数年、結婚して子供ができ、家族であばれ祭に行った。県指定無形民俗文化財でもあるが、灯籠の担ぎ手は多くが帰省した若者で、かつての熱気は感じられなかった。何とか活気を取り戻せないか。たどり着いたのはネット配信だった。県外に住み参加できなくても、いつでも祭りを感じることができる。

今年7月に能登町の公民館で写真展を開催すると、約500人が来場。ある町民から「祭りをかっこよく撮ってくれてありがとう」と言われた。金沢市内のホテルでは8月から廊下やホールで写真を常設展示してくれることに。少しずつだが手応えを感じている。

「子供たちにも祭りの楽しさに触れてもらいたい」。動画や写真を見た能登町の出身者らが、祭りに参加して将来に文化が継承できればと思っている。アドレスはhttp://notonowild.com/

〔共同〕

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