2018年12月13日(木)

「脱プラ」民間が先行 スタバやガスト、政府は出遅れ

2018/8/17 20:39
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新たな環境問題として注目されるプラスチックごみによる海洋汚染。民間では外食企業などがプラスチック製ストローの使用を取りやめるなど対策に向けて動き始めている。一方、日本政府は6月の主要7カ国(G7)首脳会議でも削減目標を盛り込んだ憲章に署名を見送るなど規制への対応は遅い。

スターバックスは使い捨てプラ製ストローを20年までに全世界で廃止する=AP

スターバックスは使い捨てプラ製ストローを20年までに全世界で廃止する=AP

すかいらーくホールディングス(HD)は17日、2020年までにプラスチック製ストローを全廃する方針を発表した。今後予想される国内外の規制強化に向けて先手を打った形だ。

「思い切った決断だ」。ある外食大手は驚きの声を口にした。すかいらーくHDが20年までに全店となる約3200店で廃止、12月までにファミリーレストラン「ガスト」の全店となる約1370店で廃止を決めた。

海外では米コーヒーチェーン大手のスターバックスも使い捨てプラ製ストローを20年までに全世界で廃止する。また米マクドナルドは英国とアイルランドで紙製に切り替える。廃止が世界の潮流になりつつあり、すかいらーくHDも素早く対応した形だ。

ただ日本では顧客の利便性低下や代替品のコストなど簡単に廃止とは言い切れない外食企業が多い現状もある。日本マクドナルドは廃止に対する顧客の受け止めや代替品の普及など「状況を見守っている段階」という。スターバックスコーヒージャパンは「日本では代替品など含めて検討している」とする。「モスバーガー」を運営するモスフードサービスも、環境汚染を「重大な問題で代替品の研究は進めているがすぐに変更する計画はない」としている。

外食企業には、プラ製ストローを廃止すれば顧客の利便性が下がり、紙製など代替素材のストローはコスト増になるジレンマがある。さらに、日本ではゴミの分別が進んでおり、「使用済みプラ製ストローはほとんどが焼却処分されている」(ファストフード大手)と海洋汚染にすぐに結びつかないとの意見もある。

ストローメーカーも脱プラ製の動きを注視する。伸縮ストロー国内最大手の日本ストロー(東京・品川)は、紙製や生分解性プラスチック製など「社会から求められている環境に配慮した製品の開発を急ぐ」とする。

ただプラ製ストローが代替素材ストローよりも優れる面もあるのも事実だ。微細なゴミが出ないという衛生面や、折り曲げや幼児がけがをしないように先端を丸めるような加工度の高さだ。プラ製であっても高機能品の需要は一定程度は残りそうだ。

こうした民間企業の試行錯誤を尻目に政府の対応は遅い。環境省が17日にプラスチックごみの削減を目指す有識者会議を開いた。だが実際のプラスチックの製造や廃棄について規制を設ける場合には、経済産業省や農林水産省などの対応が必要となる。環境省は年内にも削減案をまとめる。だが、「省庁間の調整にもある程度の手間がかかる」(環境省幹部)といい、実際の規制の導入には時間がかかりそうだ。

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