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ナマコ密漁対策に限界 暴力団関与、高値で輸出

ナマコの密漁が北海道などで相次いでいる。中国では高級食材として人気で、高値で売れるため暴力団の資金源になっているとされる。海上保安庁のパトロールなど対策にも限界があり、事態を重く見た水産庁は漁獲場所の明示を輸出時に求める制度を検討している。

北海道警が押収した石狩市の海岸で密漁されたナマコ(5月、北海道警提供)=共同

北海道警は5月、石狩市の海岸でナマコ約450キロを密漁したとして、道海面漁業調整規則違反の疑いで暴力団組員らを逮捕。6月には稚内市の海岸で約400キロを密漁した疑いで別の組員らを逮捕した。水産庁によると、ナマコ密漁の摘発件数は近年、年間30件前後で推移。青森、広島両県などでも被害が出ている。

道警幹部は「摘発した密漁は氷山の一角にすぎない」と指摘する。密漁グループは、潜水器を使ってナマコを捕まえるダイバーやゴムボートの操縦役、陸上での見張り役など手分けして、一晩で数百キロ捕獲。加工業者に持ち込むという。

被害に遭った寿都町漁協(北海道寿都町)の職員は「ナマコは単価が高く、漁師の収入の3~5割を占める」と話す。北海道での生産量は2007年の2835トンから16年には2143トンに減少しており、密漁の横行は深刻な問題だ。漁場近くに監視カメラを設置し、独自にパトロールも行っている。

財務省の貿易統計によると、17年のナマコ輸出額は229億円で、香港と中国向けが大半を占める。1キロ当たりの輸出額は加工品で約2万7千円。特に道産ナマコはイボの形状などが中国市場で好まれるという。

水産庁はホタテや真珠に次ぐ重要な輸出品と位置づけ、新たな制度導入を検討。輸出時に漁協などが発行する原産地証明書を税関で提示するよう求める案が有力だ。

水産研究・教育機構の広田将仁グループリーダーは、ナマコは資源量の減少で休漁している地域もあると説明。「資源保護の観点からも、密漁を未然に防ぐ施策が必要だ」と強調した。

〔共同〕

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