2018年9月24日(月)

フィンテックのホープに群がる投資家の面々

CBインサイツ
スタートアップ
コラム(テクノロジー)
科学&新技術
2018/8/20 6:30
保存
共有
印刷
その他

CBINSIGHTS

 IT(情報技術)の力を武器に、企業価値が10億ドルを超えると見られる未上場企業の「ユニコーン」が次々と生まれている。金融とITを融合させたフィンテックも続々とユニコーンを量産する有望分野だ。

4大陸に25社以上存在するフィンテック分野のユニコーン。その後ろ盾になっている投資家とは

4大陸に25社以上存在するフィンテック分野のユニコーン。その後ろ盾になっている投資家とは

 ただ、その資金源についてはあまり知られていない。果たしてどんな投資家がユニコーンに資金を投じているのか。CBインサイツの調査から浮かび上がるのは、すでにフィンテック分野に特化する投資家が続々と現れている実態だ。その多くが米国勢だった。

 現時点では、フィンテック分野のユニコーンは、4つの大陸に25社以上存在している。米最大級の仮想通貨交換会社Coinbase(コインベース、企業価値15億7000万ドル)やインターネットによる国際送金サービスを提供する英TransferWise(トランスファーワイズ、16億ドル)、スマートフォン(スマホ)証券の米Robinhood(ロビンフッド・マーケッツ、56億ドル)などのトップ企業は世界的に有名だ。

 だが、こうした企業の後ろ盾になっている投資家についてはほとんど知られていない。

■米Ribbit Capital、10社でトップ

 そこで今回のレポートでは、CBインサイツのデータを活用し、フィンテック分野のユニコーンを最も多く支えている投資家や、こうしたユニコーンが未公開市場での企業価値と同じ水準でエグジット(投資回収)を果たした場合、最も多くの利益を得る投資家について調べた。

 フィンテック分野のユニコーンに最も積極的に投資しているのは、フィンテックに特化したベンチャーキャピタル(VC)の米Ribbit Capital(リビット・キャピタル)で、投資対象は10社だった。同社が投資するフィンテック分野のスタートアップ企業は計41社に上り、このうちユニコーンは24%を占めることになる。

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週1回掲載しています。

 最近では、インドの金融商品比較サイトPolicyBazaar(ポリシーバザール)や、英ネット専用銀行Revolut(レボリュート)も投資先に加わった。

 2位につけたのはフィンテック分野のユニコーン6社に投資する米QED Investors(QEDインベスターズ)。3位には米Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)、米SV Angel(SVエンジェル)、ロシア系のDST Global(DSTグローバル)、 米Institutional Venture Partners(インスティテューショナル・ベンチャー・パートナーズ、IVP)がいずれも5社で並んだ。

 フィンテック分野のユニコーン3社に投資しているのは、米Kleiner Perkins Caufield & Byers(クライナー・パーキンス・コーフィールド&バイヤーズ、KPCB)、米 Google Ventures(グーグル・ベンチャーズ)、米Thrive Capital(スライブ・キャピタル)、米General Catalyst(ゼネラル・カタリスト)だ。やはり米国勢が並ぶ。

■初期段階で出資した2社

 こうした上位の投資家は有望企業を発掘して投資できるが、このランキングではどの資金調達ラウンドで投資に参加したかが考慮されておらず、必ずしも多額のリターンが入るわけではない。例えば、DSTは主にスタートアップ企業が成長段階に入ってから投資に参加している。

 こうしたユニコーンのスタートアップ企業にアーリーステージで出資していた投資家は、将来のエグジットでより多くのリターンを得る立場にある。後に企業価値が10億ドルを超えたフィンテック企業のシードやシリーズAのラウンドに出資していたVCは次の通りだ。

 首位には米Index Ventures(インデックス・ベンチャーズ)とSVエンジェルが並んだ。両社とも後にユニコーンに成長したフィンテック企業4社に初期段階で出資している。

 インデックス・ベンチャーズはトランスファーワイズ、ロビンフッド、レボリュート、そして中小企業を対象に「P2P(ピア・ツー・ピア)レンディング」を手がける英Funding Circle(ファンディングサークル)のシードまたはシリーズAラウンドに出資した。

■米Index Venturesの好成績

 ファンディングサークル(インデックスがシリーズAを主導)は年内に新規株式公開(IPO)を計画しているとされる。インデックスの投資先企業は順調なエグジットを果たしており、欧州のフィンテックにおける2大エグジットとされるスウェーデンのモバイル決済プラットフォームiZettle(アイゼトル、米ペイパルが22億ドルで買収)、オランダ系の決済サービスAdyen(アディアン、6月にIPOで84億ドルを調達)もこれに含まれる。ファンディングサークルがIPOを果たせば、この傾向が続くことになる。

 QEDインベスターズが出資した住宅リフォーム向け融資の米GrrenSkyはこのほど、IPOで42億ドルを調達した。QEDはブラジルのネット銀行Nubank(ヌーバンク)や個人の信用情報をチェックする米Credit Karma(クレジットカルマ)、ソーシャルレンディングの米SoFi(ソーファイ)、中小企業向けの決済自動化サービス米AvidXchange(アビッドエクスチェンジ)にも早い段階で出資している。

秋割実施中!日経Wプランが12月末までお得!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報