2018年9月22日(土)

アウディ「e-Tron」 下り坂で高効率エネルギー回生

科学&新技術
BP速報
2018/8/16 23:00
保存
共有
印刷
その他

日経クロステック

 独アウディは、米コロラド州のパイクスピーク山で、電気自動車のSUV「e-Tron」の下り坂走行試験を行ったと2018年8月8日発表した。エネルギー回生システムにより31kmの下り坂走行で回収したエネルギーは、ほぼ同等の距離を走るエネルギーに相当したという。

パイクスピーク山を走るアウディ「e-Tron」(写真:アウディ)

パイクスピーク山を走るアウディ「e-Tron」(写真:アウディ)

 e-Tronのプロトタイプは下り坂において、最大トルク300N・m、最高出力220kWのモーターで走行エネルギーの70%を回生した。これまでの量産EVを上回る回生率だという。高効率の回生システムを使うことで航続距離(1回の充電で走行できる距離)が最大30%延びると見ている。

 このシステムには、二つのモーターと電動油圧式ブレーキ制御システムが含まれ、三つの異なる回生モードを組み合わせたという。回生モードは、パドルシフトを使った惰性走行での手動回生、予測効率アシスト機能を使った惰性走行時の自動回生、モーターと油圧式ブレーキをスムーズに切り替えるブレーキ回生の三つ。0.3Gまでのブレーキペダルを踏んでいない減速時にもモーターで回生する。そのため、通常運転で減速時の90%以上で回生することになる。

 ドライバーはステアリングパドルを使って3つの回生レベルを選択できる。最も回生率の少ないレベルでは、アクセルペダルから足を離したときに回生の抗力トルクなしに惰性走行する。回生率が高いレベルでは、アクセルを緩めたときにエネルギー回生して速度を急激に低下させる。これによりアクセルペダルのみで加減速が可能となり、ブレーキペダルを使用する回数が減る。

 予測効率アシスト機能は、レーダーやセンサー、カメラ、ナビゲーションデータ、V2X情報などを利用して走行するルートの交通環境を予測し、アクセルペダルから足を離した方がいいタイミングをバーチャルコックピットに表示する。オプションのクルーズコントロールとも連携することで、効率よく加減速しながらエネルギー回生できる。

 ホイールブレーキは、0.3G以上の減速をするときに関与する。電動油圧アクチュエーターにより非常に迅速に作動する。緊急自動ブレーキが動作したときには、わずか0.15秒で減速を始める。制動距離は従来のブレーキシステムより最大20%短縮できるという。

 電動油圧式ブレーキ制御システムは、走行状況に応じてモーターかホイールブレーキ、もしくは両方を組み合わせて減速させる。ブレーキペダルは油圧システムから切り離されており、どの減速機能を使うかは電子制御で決まる。モーターからホイールブレーキへの減速機能の移行はドライバーが気づかないほどスムーズに行われるという。

(ライター 櫛谷さえ子)

[日経 xTECH 2018年8月10日掲載]

秋割実施中!日経Wプランが12月末までお得!

保存
共有
印刷
その他

日経BPの関連記事

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報