2018年9月22日(土)

文大統領の南北協力案 実現は不透明

南北首脳会談
朝鮮半島
2018/8/15 15:56
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 【ソウル=恩地洋介】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日の「光復節」演説で、南北経済協力で想定する経済特区や多国間の協力枠組みなどの構想に言及した。ただ、北朝鮮との経済協力は国連安全保障理事会による経済制裁の解除が前提となる。支持率低下にあえぐ文政権が南北融和を演出するねらいもあるが、米朝の非核化交渉が進展しなければ実現は難しい。

 文氏は「完全な非核化と朝鮮半島の平和が定着すれば、本格的な経済協力を進めることができる」と強調した。膠着する米朝協議を打開するため、9月に平壌で開く南北首脳会談で金正恩(キム・ジョンウン)委員長に「完全な非核化」の進展を促すテコとしたい考えだ。

 文氏が力説したのは、南北の鉄道連結事業だ。北朝鮮側には老朽化した設備の更新への期待が大きい。南北は現地調査を済ませており、文氏は年内に着工式を開くのが目標だと語った。

 鉄道をめぐっては、日本を含む周辺6カ国と米国でつくる「東アジア鉄道共同体」構想も提案した。ロシアとの鉄道連結が念頭にある。文氏はこの枠組みが実現すれば「東北アジアの多国間安全保障体制に向けた出発点ともなる」と訴えた。

 もっとも、一連の経済構想は米朝間の非核化協議の進展が大前提だ。米国は非核化が実現するまで北朝鮮への制裁を維持する方針だ。

 韓国にも南北が経済協力で先走る展開を戒めている立場。経済協力にも否定的な米国と、協力の進展を迫る北朝鮮との間で文政権は難しい立ち位置に置かれている。

 文氏は南北境界の韓国側に「統一経済特区」を設置する案も披露した。開城工業団地と同様、韓国の中小企業を誘致する一方、北朝鮮側から労働者を迎え入れるというが、日米からは「南北融和ありき」と文氏の姿勢に懸念の声が出る可能性もある。

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