2018年11月15日(木)

地方議会の議事録に省力化の波 外部委託や音声認識

2018/8/15 10:45
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地方自治法に基づき、永年の記録保持が義務付けられている地方議会の議事録の作成に、省力化の波が押し寄せている。かつては自治体職員による速記が主流だったが、近年は多くが速記会社に外部委託。音声認識技術を導入する動きも広がっている。

さいたま市の清水勇人市長(奥)の発言内容が表示された中継画面(さいたま市役所)=共同

日本速記協会によると、2013年の調査に回答した全国の地方自治体の約7割が、議会本会議の議事録を速記会社に委託している。1966年創業の「会議録センター」(埼玉県鴻巣市)は最も古い速記会社の一つで、全国の自治体から議事録の作成などを請け負う。検定資格を持つ速記者は、独特の符号を使って1分間に300字前後を記録する。

さいたま市は、同社に市議会議事録のほか、市長の定例記者会見の文字起こしも依頼。会見での清水勇人市長の発言が、数秒後には市のホームページの中継に字幕で流れる。

一方、議事録の作成に、音声をコンピューターで認識して文字に変換する音声認識技術を利用するケースも増えている。136自治体に導入実績を持つ「アドバンスト・メディア」(東京)の担当者は「ディープラーニング(深層学習)技術の登場で、文字起こしの精度が飛躍的に向上した」と説明。この1~2年で問い合わせが急増したという。

静岡県沼津市は04年、同社とソフトを共同開発し、地方議会では国内で初めて音声認識を導入。当初は固有名詞をあらかじめ辞書登録するなど試行錯誤が続いたが、現在は本会議当日には速報ベースの議事録が出来上がるという。

ただ、どれだけ省力化が進んでも、最終的には文脈を理解した人の目によるチェックが欠かせない。参議院で長く速記者を務めた日本速記協会の蒲池寿美事務局長は「多くの有権者に選ばれた議員の言葉は、口に出した瞬間に公的なものになる。永久に残る議事録の作成は、民主主義を陰で支える重要な仕事だ」と力を込めた。〔共同〕

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