揺れた阿波おどり 徳島2018 「踊りたい」思いは一つ(熱撮西風)

2018/8/17 2:00
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「それでも踊りたい」。累積赤字問題をきっかけにした主催者交代で揺れた2018年の徳島市の阿波おどりは、踊りを愛する人たちの情熱で8月12日からの熱狂の4日間を終えた。

笛や太鼓、かねが奏でる「ぞめき」と呼ばれる独特のリズムに合わせ、「ヤットサー」の掛け声も勇ましく、そろいの浴衣や法被に身を包んだ老若男女が踊る阿波おどり。民衆のエネルギーで400年間、脈々とつないできた祭りだ。混乱の長期化で今年は中止か、ともささやかれたが、徳島市を中心に新たな主催者となった実行委員会や住民、踊り子団体(連)それぞれの努力で開催にこぎつけた。

実行委は今年、4カ所の有料演舞場のうち南内町の1カ所で毎日、最後の30分間に催していた一部有名連が一斉に踊る「総踊り」を取りやめ、新たなフィナーレとして4カ所全てで有名連が次々に踊りを披露する演出を導入した。有料演舞場へのチケット販売増を狙ったものだが、これまで総踊りを披露してきた一部有名連はこれに反発。徳島市からの自粛要請を振り切る形で2日目の13日夜、演舞場ではない市内中心部の路上で1日だけの総踊りを強行した。

今年は中止されたはずの総踊りに路上は国内外からの観光客や地元の人であふれ、歓声を上げて見入っていた。一方、昨年までは総踊りを楽しめた南内町を含む有料演舞場では空席が目立ち、来年以降の演出のあり方は見直しを迫られそうだ。

例年、総踊りに参加しながら、今年は実行委の新演出を受け入れ、路上の総踊りからは距離を置いた連もあった。その1つ、ゑびす連を率いる鶴瀬幸子さんは「いろいろあったからこそ団結できた」とかみしめる。

最終日の15日は時折、強い雨に見舞われた。そのためか、今年の人出は4日間で108万人と昨年より約15万人少なく2000年以降で初めて110万人を下回った。「踊りたい」と同じ思いを抱きつつ、混乱のなか様々な思惑が交錯した今年の阿波おどりを写真と映像で振り返る。

初日、演舞場のフィナーレでは独特なリズムとステップが観客を魅了した(12日)

初日、演舞場のフィナーレでは独特なリズムとステップが観客を魅了した(12日)

初日のフィナーレ、南内町演舞場で踊る、振興協会を脱会したゑびす連の踊り子(12日)

初日のフィナーレ、南内町演舞場で踊る、振興協会を脱会したゑびす連の踊り子(12日)

有料演舞場の新しい演出として、観客と踊り子が一緒に踊った(12日)

有料演舞場の新しい演出として、観客と踊り子が一緒に踊った(12日)

従来の総踊りが中止になり、演舞場では空席もみられた(12日)

従来の総踊りが中止になり、演舞場では空席もみられた(12日)

市中心部の路上で振興協会所属のグループが「総踊り」を行った(13日)

市中心部の路上で振興協会所属のグループが「総踊り」を行った(13日)

1000人以上が踊る「総踊り」は市中心部の道路上で行われた(13日)=超広角レンズ使用

1000人以上が踊る「総踊り」は市中心部の道路上で行われた(13日)=超広角レンズ使用

沿道の観客からは歓声が上がった(13日)

沿道の観客からは歓声が上がった(13日)

(徳島支局 長谷川岳志、大阪写真部 小川望、目良友樹)

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