2018年11月17日(土)

米、牧師解放へ圧力緩めず 対トルコ、協議は膠着

2018/8/14 18:00
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【ワシントン=永沢毅】トランプ米政権はトルコとの関係悪化の要因となっている米国人牧師の解放に向け、圧力を一段と強めている。北大西洋条約機構(NATO)を構成する同盟国にもかかわらず相次ぎ経済制裁を科し、安全保障協力の凍結も辞さない構えだ。反発を強めるトルコも強硬姿勢を崩さず、事態打開の兆しはみえない。

ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は13日、ホワイトハウスでトルコのキリク駐米大使の面会に応じた。トルコの要請を受けたものだ。トルコが拘束している米国人牧師の身柄の扱いを巡って話し合ったが、大きな進展はなかった。米メディアによると、ボルトン氏は事態打開に向けた具体的な条件を提案することはなかった。

米国人牧師は2年前にトルコで起きたクーデター未遂事件に関わったとの理由で逮捕、起訴されて自宅軟禁状態にある。人権を重視する建前論に加え、牧師がトランプ政権の支持基盤であるキリスト教福音主義派でもあるため、ホワイトハウスに譲歩する気配はない。

トランプ政権はトルコの2閣僚を資産凍結などの制裁対象に指定したのに続き、10日にはトルコから輸入する鉄鋼とアルミニウムへの追加関税をそれぞれ50%、20%にすると表明した。他国からの関税の2倍になる。米国の制裁に違反する形でイランを支援しているとしてトルコ国有銀行への罰金も検討している。

圧力は安保協力にも及ぶ。13日に成立した米国防権限法では米軍の最新鋭ステルス戦闘機F35のトルコへの売却を当面禁じた。トルコによるロシア製の地対空ミサイルの購入をけん制する狙いも込められているが、米軍はトルコ南部に空軍基地も構え、武器売却は安保協力の柱の一つだ。その凍結は同盟関係を揺るがしかねない。

トルコのエルドアン政権もいまのところ譲歩する構えはみせていない。ただ、米トルコ関係の悪化はトルコリラの急落を招き、市場の変調が世界経済の混乱を引き起こしかねない情勢だ。事態の収束に向けて牧師の扱いがカギを握る展開となってきた。

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