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アパレル、業績分けた「商品の機能性」 ユニクロ好調

2018/8/14 12:00
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アパレル各社の業績が明暗を分けている。主要18社のうち前四半期に営業損益が改善したのは7社だった。好不調を分けたのは商品の「機能性」だ。「ユニクロ」を手掛けるファーストリテイリングやスポーツアパレルのゴールドウインが好調な一方、低価格路線のしまむらアダストリアは苦戦する。2018年度通期は15社が増益・黒字転換を計画する。価格以外の付加価値を打ち出せるかどうかが達成のカギを握る。

「単なる流行の服や低価格の服ではなく、高品質な生活の道具、人が個性をつくるための部品を提供してきた」。ファストリの柳井正会長兼社長はこう話す。

ファストリの3~5月期の連結営業利益は前年同期比37%増の684億円だった。中国など海外事業が伸びる一方、国内事業も営業利益は313億円と31%増えた。機能性に優れた定番商品「エアリズム」に加え、軽くて伸縮性の高い「感動パンツ」など着心地を追求した商品が好調だった。

アウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」を手掛けるゴールドウインも商品の機能性を武器に4~6月期の営業利益が2.3倍に増えた。「機能性の高い商品を求める市場は拡大しており、アウトドア商品を日常的に着てもらう提案が受け入れられている」。白井準三執行役員は話す。

作業服チェーン、ワークマンの4~6月期は全体の売上高の5割強を占めるアパレル商品が前年同期比で2ケタの増収となり、営業利益は14%増の30億円だった。9月には新型店「ワークマンプラス」を出店。一般の消費者を想定し、防水機能などを備えた日用衣料品をそろえる。普段着とは分けて着用されてきたアウトドア商品や作業着も垣根が消えつつある。

一方、「デフレの勝ち組」と呼ばれたしまむらやアダストリアなど低価格に強みを持つ2社は2ケタの営業減益だった。SMBC日興証券の金森都氏は「セールなどの販促効果がみられない中、他の販売戦略が欠落している」と指摘する。消費者は商品の安さだけではなく、価格に見合った価値の提供を重視するようになっている。

オンワードホールディングス三陽商会など百貨店を主要販路とするアパレルメーカーも苦戦が続く。百貨店向けアパレル大手4社を合計した第1四半期の売上高は微減の1279億円で、いずれも営業減益・赤字になった。

株式市場も選別を強めている。年初来の株価騰落率はゴルドウインが18社の中で圧倒的な首位だったほか、ワークマンやファストリも株価は堅調だ。一方、しまむらやアダストリア、オンワードは大幅安。各社の株価騰落率は前四半期の増減益率とほぼ比例し、投資家は足元の業績の好不調でふるいにかけている。

アパレル市場の大幅な伸びが見込めない中、各社は成長が続くネット通販の強化を急いでいる。経済産業省によると17年のネット通販市場は1兆6454億円と前年比8%増となり、全体に占める割合は12%に達した。

だが前四半期決算からはネット通販でも格差が生まれ始めていることが分かる。スタートトゥデイの「ゾゾタウン」の伸長と並走して各社のネット通販もそろって成長を遂げてきたが、三陽商会の1~6月期のネット通販売上高が前年を下回った。スタートトゥを除く主要18社の中で最もネット通販の割合が高いTOKYO BASEが減益になるなど企業によってはネット通販の減速も目立ち始めた。

ワークマンや子供服の西松屋チェーンのようにネット通販の割合は小さいが、実店舗の営業時間やイベントで工夫を凝らして成長を遂げている会社もある。今後は各社のチャネル別の戦略も業績を左右しそうだ。(菊地悠祐)

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