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「上野の249球」が象徴するソフト日本の課題

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2018/8/15 6:30
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12日までに行われたソフトボールの世界選手権で、日本は米国との決勝で延長十回タイブレークの末に6―7と惜敗し、2大会連続の準優勝に終わった。36歳のエース上野由岐子(ビックカメラ高崎)の1日2試合計249球の熱投は見る者の胸を打つ一方、2020年東京五輪へ向けて世代交代が一向に進んでいない厳しい現実も突きつけられた。

12日に千葉市のZOZOマリンスタジアムで行われた上野の奮迅は、08年北京五輪で決勝を含めて2日間3試合を1人で投げ抜いた「上野の413球」をほうふつとさせるものがあった。敗者復活を兼ねたカナダとの3位決定戦に先発した上野は、気温およそ30度の蒸し暑い午後2時開始の試合で7回を被安打4の7奪三振、87球の快投で完封勝利を飾った。試合終了は同3時38分。それから3時間半ほど間をあけた同7時11分開始の決勝戦の先発マウンドにも背番号「17」は立った。

上野の熱投と対照的な米の継投

決勝戦の立ち上がりは明らかなボール球が多く、制球が定まらなかった。計3四死球を与えた二回は何とか無失点で切り抜けたものの、三回に米国打線につかまって逆転の3ランを被弾した。イニングが終わるたびにベンチで座り込んだ36歳の表情は、見るからに疲労の色が濃かった。それでも、ここからが真骨頂だった。全盛期のような豪腕ぶりはない。集中力を研ぎ澄まし、外角への逃げる球や高めのつり球など丁寧に内外角や高低を突き、110キロ台の直球や80キロのチェンジアップなど緩急も自在に使い分ける。全身全霊の気迫の投球で、五~七回は実に7三振を奪って強力打線を封じ込んだ。

米国が対照的に左右の計5投手をつぎ込む継投策に持ち込んでいただけに、上野の熱投はさながら、横綱が5人の下位力士を次々となぎ倒す相撲の余興「五人掛かり」。孤軍奮闘そのものだった。ナインも奮起して、藤田倭(27、太陽誘電)が「上野さんの絶対的エースという存在の大きさに感動した」と2本塁打を放った。だが、味方が2点をリードした直後の延長十回裏、上野は3長短打を浴びて同点に追いつかれ、最後はこの日の249球目を捕らえられて逆転サヨナラ負けを喫した。日本の大エースも、結果だけを見れば決勝戦は7失点(自責は5点)。ただ、宇津木麗華監督が「上野はまだまだ健在。文句なし、100点以上です」と称賛したように、「これぞ上野由岐子」を強く印象づける一日となった。

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