2018年11月16日(金)

トルコショック、株安広がる 大統領は利上げ否定

2018/8/13 13:35
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トルコの通貨リラ急落の影響が広がっている。13日の株式市場で日本株を含めたアジア各国・地域の株価が軒並み下落した。日経平均株価は続落し、取引時間中としては約1カ月ぶりに2万2000円を割り込んだ。トルコのエルドアン大統領は12日、リラの安定に不可欠とみられる政策金利の引き上げを否定。世界の投資家の慎重姿勢が広がり、株式への投資を手控える雰囲気が強まっている。

12日、トルコ北東部トラブゾンで演説したエルドアン大統領=ロイター

12日、トルコ北東部トラブゾンで演説したエルドアン大統領=ロイター

13日の東京株式市場で日経平均株価は4日続落。下げ幅は一時前営業日比で400円を超えた。前週末の欧米株安もあって朝方から売りが先行した。アジアの株式相場が下げて始まると、下げ幅を一段と広げた。

市場では「トルコ向け債権が多い欧州の金融機関への財務不安が広がっており、世界市場全体で投資家がリスクオフ(弱気)ムードに傾いている」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏)との声があった。米中の貿易摩擦の影響を懸念する声も根強い。

中国本土市場では代表的な株価指数である上海総合指数が反落。前週末比1%弱の下落で取引が始まったが、一時1.8%安まで下げ幅を広げた。深圳市場も安い。

上海総合指数は一時2750を割り込み、中国株バブル崩壊後の安値(2655)に再び接近している。ドル高の進行を背景に、中国を含む新興国から資金が流出するとの懸念も株安につながっている。

香港株式相場は朝方から全面安の展開。ハンセン指数は2万8000の大台を割り込み、一時、前週末比2%近く下げた。香港に上場する有力企業の中には、欧州で事業を展開する企業も多く、関連企業の株価が下げている。東南アジア各国の株価も相次ぎ下げた。インドネシアの主要株式指標は一時、前週末比3%超、フィリピンも2%程度下落した。

トルコでは12日、エルドアン氏が演説で「自分が生きている限り、金利のわなには落ちない」との表現で、トルコ中央銀行による政策金利引き上げを阻む考えを示した。発言を受け、リラは12日深夜(日本時間13日早朝)の海外市場で一時1ドル=7.2リラ台となり、最安値を更新した。

トルコ中銀は景気を冷やす金融引き締めを嫌うエルドアン氏の圧力下にある。リラ安の影響でインフレ率が16%近くに達しており、市場関係者はそろって現在17.75%の政策金利を引き上げる必要性を指摘している。中銀は前々回、6月の金融政策決定会合での利上げを最後に金利を据え置いている。

リラ急落の原因の一つである米国との対立を巡り、エルドアン氏は演説で「政治的陰謀」「降伏はしない」などと語り、対決姿勢を鮮明にした。トランプ政権が8日を最終期限に定め、トルコが拘束している米国人牧師の解放を迫っていたことも明らかにした。

国際通貨基金(IMF)に支援を仰ぐ可能性についても「政治的主権を放棄しろというのか」と否定した。アルバイラク財務相は市場の不安を和らげるため「月曜朝から必要な措置を講じる」と地元紙に語った。

リラ売りに拍車がかかったことを受け、東京外国為替市場で円は上昇した。一時1ドル=110円台前半と6月末以来約1カ月半ぶりの円高・ドル安水準を付けた。投資家がリスクを回避する動きから円買い・ドル売りにつながった。

リラが13日早朝に過去最安値を更新したことで、外国為替証拠金(FX)取引などを通じてリラを買っていた日本の個人投資家が損失覚悟のリラ売り・円買い戻しに動いた。

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