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トルコ大統領、利上げに否定的 リラ一時最安値

(更新)

【イスタンブール=佐野彰洋】トルコのエルドアン大統領は12日の演説で、急落した通貨リラの相場安定のために不可欠とみられる政策金利の引き上げに否定的な考えを示した。「自分が生きている限り、金利のわなには落ちない」と語った。トルコの債券や株式から一段の資金流出を招く恐れがあり、欧州や他の新興国への影響も懸念される。

リラは10日に一時前日比約2割急落し、12日深夜(日本時間13日早朝)の海外市場でも一時1ドル=7.2リラ台となって最安値を更新した。急落は米国との対立が原因だが、エルドアン氏は演説で「政治的陰謀」「降伏はしない」と語り、強硬姿勢を崩していない。

トルコ中銀は景気を冷やす金融引き締めを嫌うエルドアン氏の圧力下にある。リラ安の影響でインフレ率が16%近くに達しており、市場関係者はそろって現在17.75%の政策金利を引き上げる必要性を指摘している。中銀は前々回、6月の金融政策決定会合での利上げを最後に金利を据え置いている。

エルドアン氏は演説で「政治的主権を放棄しろというのか」と述べ、国際通貨基金(IMF)に支援を仰ぐ選択肢も退けた。

トランプ米政権は2016年のクーデター未遂事件に関与したとしてトルコで拘束中の米国人牧師アンドルー・ブランソン氏の解放を求め、1日以降、トルコ閣僚を対象とする経済制裁や関税倍増で圧力を高めている。

エルドアン氏は「テロ組織とつながりのある牧師と引き換えに(人口)8100万人のトルコを犠牲にするのか」と猛反発。トランプ政権が8日を最終期限に定め、ブランソン氏解放を迫っていたことも明らかにした。

リラ急落を受け、アルバイラク財務相は地元紙に企業支援などで「月曜朝から必要な措置を講じる」と語った。トルコ政府が預金封鎖に乗り出すとの観測もあったが、同氏は否定。大統領府も否定コメントを出した。

銀行監督当局はトルコの銀行が海外の投資家と行う、為替スワップ、スポット、先物取引の取引量を制限すると発表した。これらの発言や発表を受け、トルコ時間13日未明、リラは1ドル=6.6リラ台に回復した。

エルドアン氏は12日の演説で「ドル買いのために銀行に急ぐな」と述べ、ドル確保に動く企業経営者らをけん制した。「プランB」といった表現で強制的な措置の導入を示唆したことが、政府が預金封鎖やリラへの強制的な両替に乗り出すとの観測を強めた可能性もある。

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