2019年1月17日(木)

群馬の墜落ヘリ、直前に急旋回 9人全員の死亡確認

2018/8/11 18:49 (2018/8/11 21:58更新)
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群馬県の防災ヘリコプター「はるな」が同県中之条町の山中に墜落した事故で、県は11日、防災航空隊員ら搭乗者9人全員の死亡を確認した。現地入りした運輸安全委員会の航空事故調査官は「何らかの原因で高度が下がり、木と接触したとみられる」と説明。ヘリは消息を絶つ直前に急旋回しており、今後、原因究明に向け調査を本格化させる。

搭乗者は防災航空隊員4人と吾妻広域消防本部職員5人。県警はうち6人の身元について防災航空隊員で機長の天海紀幸さん(57)と同隊員の岡朗大さん(38)、いずれも同消防本部職員の田村研さん(47)、水出陽介さん(42)、黒岩博さん(42)、蜂須賀雅也さん(43)と特定した。

一方、県が防災ヘリから全地球測位システム(GPS)を用いた位置情報の通信が途絶えたことに約40分間気付かず、県警ヘリが捜索に出発するのに3時間近くを要していたことが判明した。位置情報はパソコンに常時表示されていたが、監視体制の規則やマニュアルがなかったという。

10日午前10時40分、前橋市のヘリポートにある防災航空隊事務所の職員が位置情報が午前10時1分の状態から更新されていないことに気付いた。当時事務所には5人の職員がいたが、誰も見ていなかったという。

職員は機器の故障を疑い、無線や搭乗者の携帯電話に連絡を取ろうとしたが通じず、午前11時45分、県庁の消防保安課に「ヘリが行方不明」と電話連絡。県は3分後に県警に捜索を依頼したが、準備を整えて県警ヘリが出発したのは午後0時50分だった。

事故は10日午前に発生。ヘリは群馬、長野、新潟県境の稜線(りょうせん)を結ぶ登山道「ぐんま県境稜線トレイル」の全面開通を前に、上空から周辺の状況を確認中だった。午前9時15分ごろ前橋市のヘリポートを離陸し、同9時59分に尾根伝いを北東に向かう飛行ルートの途中で引き返すように円を描き急旋回。同10時1分にGPSの情報が途絶えた。

運航委託先の東邦航空(東京)では昨年11月、群馬県上野村でヘリが墜落し4人が死亡する事故が発生。事故前の機体修理に問題があったとして国土交通省は今年2月、同社に事業改善命令を出している。防災航空隊員のうち機長と整備士の2人は同社社員。フライトレコーダー(飛行記録装置)は搭載していなかった。〔共同〕

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