2018年8月21日(火)

ネット選挙、まず在外投票で 総務省、19年度に実証実験

政治
2018/8/10 19:16
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 総務省がインターネット投票の導入に動き出す。まず海外に住む日本人を対象とする在外投票で、ネット投票のためのシステムを整備する。2019年度に実証実験し、20年度以降の公職選挙法改正をめざす。個人認証に必要なマイナンバーカードを海外で利用するための法整備や、セキュリティー対策の検討も必要になる。実現に向けた課題を整理した。

 現行の在外公館での投票や郵送による投票は、投票用紙を日本に送るのに日数がかかり、投票期間も短くなる。新たに検討するネット投票では、マイナンバーカードを使って本人確認をすれば、パソコンなどからどこでもすぐに投票ができ、投票期間も長くなる。

 海外に在留する18歳以上の邦人は17年10月時点で107万9418人いる。国政選挙に参加するための在外選挙人名簿の登録者数は、17年9月時点で10万506人いる。従来は転出先の日本大使館に出向いて手続きを済ませる必要があり、登録が伸び悩んでいた。投票率も17年の衆院選で21%にとどまる。

 今年6月の改正公選法施行で、転勤や留学で出国する前に市区町村の窓口で登録申請ができるようになった。在外投票を希望する人も増えるとみられる。ネット投票が可能になれば、投票率の向上にもつながりそうだ。

 実現に向けた課題は(1)本人確認をするための法整備(2)システム障害への対応(3)投票の秘密の確保――などがある。

 総務省はネット上の投票が本人かどうかを確認するため、海外でもマイナンバーカードが継続して利用できるようマイナンバー法の改正に取り組む。現在は、海外への転出届を出すとカードが失効してしまう。

 サイバー攻撃や自然災害でシステムが故障したりダウンしたりするリスクに備え、投票データのバックアップを保存する仕組みをつくる。不正アクセスを検知するシステムなども必要だ。投票の秘密を保つため投票データを暗号化して送信し、本人確認に使う投票者の情報は切り離して保存する仕組みを想定する。

 将来は国内に住む有権者の投票でもネット投票の活用が広がる可能性がある。海外ではエストニアが全国民を対象に導入しており、スイスも一部の州で採用している。日本では高齢化や過疎化が進み、投票所に足を運んで投票するのが難しい人も増える。投票や開票の立会人確保も課題だ。

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