2018年8月18日(土)

中部地銀7行・グループ 債券含み益が減少、6月末

金融機関
中部
2018/8/10 20:40
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 中部の地方銀行で国債など債券の含み益が減少している。6月末時点で7行・グループの数値を集計すると、575億円と3月末から8%減った。7月31日に日銀が金融政策を修正した後は長期金利が上昇しており、足元では一段と減っている可能性がある。ただ金利が上がれば運用利回りが改善するとの期待もあり、緩やかな上昇を望む声が出ている。

 中部に地盤を置く7行・グループの2018年4~6月期決算が10日までに出そろった。6月末の債券の含み益は、全行・グループで3月末と比べ4~16%減少。銀行にとっては、含み益のある債券などを売却し利益を確保する「益出し」の余力が弱まったことになる。

 長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは6月末時点で0.03%だったのが、8月以降は0.1%程度まで上昇(債券価格は下落)。銀行にとって金利上昇は保有する国債などの価値が低下する一方で、比較的高金利の債券に投資できれば運用利回りを改善させる効果がある。

 含み損が発生した債券を損失処理したという名古屋銀行は、4~6月期の国債売買などの損益がマイナスに転じた。同行の南出政雄執行役員は「短期的には(全体で)含み損に転じる可能性もある」と警戒する。

 一方で「長期金利が0.1~0.2%の間で推移する若干の金利上昇であればありがたい」と述べたのは愛知銀行の吉川浩明執行役員。この水準であれば含み損にはならず、高金利の債券に投資できれば収益にプラスだとの見方だ。

 もっとも貸出金利への影響は限定的だ。短期金利に連動する傾向があるほか、貸し出し競争の激しさには変わりがないからだ。4~6月の貸出金利息(連結ベース)は比較可能な6行のうち4行で引き続き減少。競争が激しい「ナゴヤ金利」で貸し出しの収益が悪化する傾向は続いている。

 18年4~6月期の本業のもうけを示す実質業務純益は5行で前年同期を上回った。伸び率が54%と最も大きかった大垣共立銀行は、グループ会社などの株式配当金が増えたほか、経費が12%減ったのも奏功した。

 三十三フィナンシャルグループは19年3月期の通期業績見通しを下方修正した。三重銀行と第三銀行の合併に伴う負ののれん発生益が当初想定より減るため、純利益は535億円(従来予想は592億円)とした。(横田祐介)

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