2018年10月18日(木)

公務員の定年65歳に 給与は5年連続上げ 人事院勧告

政治
2018/8/10 10:18
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人事院は10日、国家公務員の定年を60歳から65歳に段階的に上げるよう国会と内閣に申し入れた。60歳以上の給与は60歳前の7割程度に減らす。公務員の定年延長を進めることで、民間企業にも定年の延長を促す。2018年度の国家公務員一般職の月給を平均655円(0.16%)、ボーナス(期末・勤勉手当)を0.05カ月分引き上げることも勧告した。

人事院の一宮総裁(左)から勧告を受け取る安倍首相(10日午前、首相官邸)

一宮なほみ人事院総裁から勧告などを受けた安倍晋三首相は「定年延長は少子化で人材をどのように活用していくか、官民に関わる大きな課題だ。しっかり努めていきたい」と述べた。

定年延長で人事が停滞しないよう一定の年齢で管理職を外す「役職定年制」を導入する。専門性が必要ですぐに交代要員がみつからず、現職を外すと支障がある場合は例外的に留任を認める。期間は最大3年で対象者は60歳以上でも給与を3割減らす措置をとらない。

60歳以上の職員が短時間勤務を選べる制度も採用する。個人の体力や事情に合わせた多様な働き方を後押しする。政府は来年の通常国会で関連法案を提出する方針だ。

政府は21年度から3年ごとに定年を1歳ずつ上げ、33年度に定年を65歳にする方向で検討する。厚生労働省によると定年延長を採用する企業は17年6月時点で全体の2割に満たない。具体的な制度設計を示し、民間にも定年延長の普及を促す。

月給・ボーナスを共に上げる勧告は5年連続だ。月給の上げ幅は17年度の平均631円を上回る。勧告は民間と国家公務員の給与水準をそろえるのが目的だ。勧告の基準となる民間給与実態調査で民間の水準が国家公務員を上回ったため、引き上げ勧告となった。民間と大きな差がある初任給を1500円上げるなど若年層に重点配分する。

勧告の対象は国家公務員だが、地方公務員にも影響する。財務省などの試算によると勧告通りに上げると国家公務員で約360億円、地方公務員で約790億円の予算が19年度に必要になる。

公務員の長時間労働是正へ人事院規則を改定し、超過勤務の上限を明記する方針も報告した。労働基本権が制約される国家公務員は19年4月施行の働き方改革関連法の対象外だが、民間と足並みをそろえる。原則年360時間、国会対応や外交で繁忙な部署は年720時間の上限を設けた。

違反した場合でも民間とは異なり、罰則はない。大規模災害への対応などは上限規制の例外になる。各省庁に検証を求めるが人事院幹部は「公務員の業務の性質上、どうしても基準を上回る例が多く出そうだ」と話す。

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