2018年11月14日(水)

乗用車8社の半数に波及 排ガス燃費検査問題

2018/8/9 14:23
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マツダスズキヤマハ発動機の3社が新車の出荷前の品質管理検査でルールを逸脱する不適切な対応をしていたことが9日明らかになった。昨秋に発覚した日産自動車の無資格者による検査不正以降、完成検査を巡る問題が芋づる式に表面化している。一連の完成検査問題は乗用車8社のうち半数の4社に及び、日本のものづくりの信頼が傷つきかねない。

「検査が工場任せになっていたことは反省すべき点」「規律が緩んでいた」。スズキの鈴木俊宏社長は9日、東京都内で記者会見し、排ガス検査などの不適切行為の理由を説明した。「顧客や取引先に多大な迷惑を掛け、心からおわびする」と陳謝し、再発防止に取り組む考えを強調した。

スズキは2012年6月以降に生産した四輪車の6401台で無効な測定値を有効にしていた。抜き取りデータが残る1万2819台の約半数にあたる。ローラーの付いた装置上で走行させて排ガスを測る際、速度や測定時間が決められた範囲を逸脱していた。データの書き換えは無かったとしている。

これに先立ち国交省は同日、スズキのほかマツダ、ヤマハ発で不適切な検査があったと発表した。マツダでは14年11月以降の四輪車の72台、ヤマハ発は16年1月以降の二輪車の7台で不適切な対応が判明した。

一連の完成検査問題は大きく3度に分けて明らかになっている。17年秋以降、日産とSUBARU(スバル)で無資格者が検査をしていた問題が発覚した。この延長線上で両社が今春以降に明らかにしたのが燃費・排ガスの成分量を書き換える不正だ。国の保安基準より厳しく定める社内基準を満たしていなかったため、書き換えが常態化していたもようだ。

書き換え不正を受けて国が7月に求めた調査で、マツダ、スズキ、ヤマハ発の3社でも測定の条件が守られていないケースがあることが新たに分かった。トヨタ自動車ホンダ三菱自動車、ダイハツ工業では完成検査不正は見つからなかった。日本の乗用車8社のうち4社に問題が及ぶ事態となった。

スバルでは吉永泰之社長(当時)が6月の株主総会後に代表権と最高経営責任者(CEO)の職を返上している。3社は書き換えが無かったことを勘案して経営責任を検討するとみられる。

完成検査とは別に、16年には三菱自とスズキで開発時の燃費データ測定で国の規定に沿わない試験を行っていたことが発覚している。完成検査問題はこれに比べると「世の中を欺くような話ではない」(ナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹アナリスト)。

ただ16年以降、品質にかかわりかねない問題が頻発しているようにユーザーの目には映る。傷ついたブランド力を取り戻すためには、法令やルールを守る意識を徹底させ、再発が起こりえない仕組みを構築することが欠かせない。

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