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次の100年へ 高校野球に求められるもの
スポーツライター 浜田昭八

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2018/8/12 6:30
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高校が多い首都圏、京阪神地区から、少ない東北や山陰へ中学球児が流れるのは、ある程度やむをえない。国会議員選挙の「1票の格差」にも似て、甲子園への道の難易度に大きな差がある。島根の益田東は「大阪第2代表」といわれるほど大阪勢が多く、鳥取城北も関西勢が主力を占めている。

郷土対抗の魅力が薄れ…

磨かれた中学球児が各地へ分散して、その地の選手を刺激し、レベルを引き上げるというメリットはある。海外留学ほどではないが、ある意味での異文化交流も期待できる。ただ、郷土対抗の魅力が薄れ、野球を学校の広告塔に位置づけるようになると意味がない。

これからの高校野球、春夏の甲子園大会はどう変わっていくのか=共同

これからの高校野球、春夏の甲子園大会はどう変わっていくのか=共同

高校球界内部からも、それを恐れる声があがった。過熱する選手争奪に歯止めをかけようと、日本高校野球連盟は2012年から特待生は1学年に5人以内という制度を導入した。5人以内が4人、3人と減り、やがて地元出身者だけでチームをつくるというのは、甲子園を目指すレベルでは夢物語だろうか。

05年夏の大会の開会式で、当時の中山成彬文部科学大臣が「選手は生まれ育った土地の高校に入り、地元の人が応援できるのが本来の姿」と挨拶で述べた。百パーセントの賛意は表しかねた。だが、大阪府立の母校の近隣中学から毎年、遠隔地の強豪校へ留学するのを見てきた身としては、「よくぞ言ってくださった」と思ったのも事実だった。

さて、これからの高校野球、春夏の甲子園大会はどう変わっていくだろうか。「国技」といえるほど隆盛を極めた野球だが、若年層の間ではサッカー人気が高まっている。高校野球は「汗と涙」に象徴されるドラマ性に寄りかかってばかりいないで、純粋にスポーツの魅力を追求する方向に、メディアを含めてかじをきるべきではないか。100回大会のお祭り騒ぎで、冷静さが少々失われているのが気になって仕方ない。=敬称略

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