2019年5月20日(月)

AKB超える? Vチューバーに熱視線(日経MJ)

コラム(ビジネス)
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2018/8/12 6:30
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■「中の人」に6000人が応募

Vチューバーのキャラクター作成には当初、200万~300万円の初期投資が必要だった。だが、パソコンや仮想現実(VR)機器を使って20万~30万円でも作れるようになり、「中の人」は学生や会社員などに裾野が広がっている。

Vチューバーグループ「にじさんじ」を運営するいちから(東京・渋谷)は堂々と「中の人」を随時募集している。採用されると同社が開発したアプリ入りのスマホが支給され、アプリを起動するだけで手軽にVチューバーとして動画の生配信ができるとうたい、10~20代の若者を中心に累計6000件超の応募を集めている。

「Live2D」という立体的に見える2次元画像を採用することで、1体数十万円の低コストで作成。次々とオーディションを実施して35人が所属するグループに成長し、人気Vチューバー勢の一角を占めている。「中の人の多くは一般の人。高校生や大学生も多い。顔バレが嫌で投稿できなかった面白い人はまだまだいる」(いちからの田角陸社長)

スマホ1つでアバターを手に入れられるサービスも続々と登場。無料アプリ「ホロライブ」はスマホと向き合うだけで、自分が選んだ4種類のキャラクターになりきることができ、8万ダウンロードを突破。ゲーム実況配信の無料アプリ「ミラティブ」でも1日から、顔、目などの形や髪、服など色も含め48億通りの組み合わせから自分だけのキャラクターを作成し、配信できる無料サービス「エモモ」を始めた。「これからは専門知識がなくとも気軽にバーチャルの体を手に入れられる」(同アプリ運営ミラティブの赤川隼一社長)

誰でもアイドルになれる時代はすぐそこまで来ている。

市場規模はアニメ・ゲーム超えの可能性も

富士葵さんの容姿をかわいくするため、クラウドファンディングで約2280万円が集まった

富士葵さんの容姿をかわいくするため、クラウドファンディングで約2280万円が集まった

「歌声は好きだけど……」。ファンの間で外見を残念がられていたのが、人気Vチューバーの富士葵さんだ。1月に見た目を「かわいくする」プロジェクトを打ち出し、クラウドファンディングを実施。2カ月で1392人から約2280万円を集め、かわいらしいモデルに生まれ変わった。

日を追うごとに高まるファンの熱量は、新たな経済圏を生み出そうとしている。コンビニエンスストア大手、ローソンとキズナアイのコラボがSNS(交流サイト)で話題を呼び、人気Vチューバーの生配信には「投げ銭」が飛び交う。

サイバーエージェントはVチューバー育成の新会社を立ち上げ、グリーはVチューバー事業に100億円を投資する計画を発表した。ユーザーローカルの伊藤将雄社長は、Vチューバーの経済規模はライブや企業コラボの数などから「現状は年間20億円程度」と分析する。Vチューバーの写真集やCD、コラボ商品は今後増える見通しで、経済規模は数百億円規模に拡大しそうだ。

キズナアイなどVチューバーの活動を支援するActiv8(東京・港)の大坂武史社長は、Vチューバーはゲームやアニメとの相性が良いと指摘。相乗効果で「漫画やアニメ、ゲームを超える市場に育つ可能性がある」と語る。

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