リニア工事の環境影響検証 静岡県が有識者会議
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静岡県は8日、リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事が大井川などの自然環境に及ぼす影響を検証する有識者会議の初会合を県庁で開いた。冒頭で川勝平太知事は「南アルプスにリニア中央新幹線を通すことで悪影響があってはならない。(有識者に)忌憚(きたん)ない意見を賜りたい」とあいさつした。

会議は、地質構造・水資源部会と生物多様性部会に分かれ、それぞれ大井川水系や野生動植物への影響などを議論。水資源部会では、大井川を巡るJR東海と県の見解の違いや利水状況などを県側が説明した。
神戸大の大石哲教授(水文気象学)は「工事は予測できないことが多数出てくると思う。事業者はデータを明らかにし、しかるべき対応をしてほしい」と話した。
リニア工事を巡っては、トンネル掘削で地下水が漏れて大井川の流量が減ることへの対策で静岡県とJR東海が対立。2027年の開業を目指し各地で工事が始まる中、同県内では着工できていない。〔共同〕
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