2018年12月13日(木)

「自由だから非正規」4割増 待遇改善も影響
労働力調査 多様な働き方なお課題

2018/8/7 19:26
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働く時間の自由度を求めて非正規雇用を選ぶ人が増えている。総務省によると、4~6月時点で「都合のよい時間に働きたいから」非正規で働く人は592万人で、5年前から44%増えた。人手不足を受け、賃金が上昇したり厚生年金に加入できたりと待遇改善が進んだことが大きい。企業は働き方改革を急ぐが、非正規・正規ともに多様な働き方の実現にはなお課題が残る。

総務省が7日発表した4~6月の労働力調査(詳細集計)によると、パートや派遣社員といった非正規雇用は前年同期より4%多い2095万人だった。

非正規で働く主な理由は「家計の補助・学費等を得たいから」「家事・育児・介護等と両立しやすいから」などを抑え、「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最も多く全体の約3割を占めた。ただ、この5年で24%減ったとはいえ「正規の職員・従業員の仕事がないから」非正規で働く人も259万人いた。

非正規雇用が増えている理由のひとつは人手不足を背景にした待遇の改善だ。企業は、正社員よりも転職が活発な非正規の賃金を引き上げてきた。6月の毎月勤労統計調査によると、パートタイム労働者の時給は1.8%増で、正社員ら一般労働者の所定内給与は0.9%増にとどまった。

非正規の賃金上昇ペースが正社員を上回り、その差は縮小している。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、2017年の非正規の賃金は正社員の66%で5年前より4ポイントも上昇した。

リンガーハットはパート店長を20年に現在の約5倍の150人にする。店長には時給を25~50%増やし、月に3万5千円の手当も付ける。正社員店長は通常2~4店舗を担当するがパートは原則1店舗。就労時間も短く、転勤もない。

また、少数だが人工知能(AI)の開発など専門スキルを持ち、月収数百万円という非正規もでてきている。

勤務時間を自由にできるのも非正規の魅力だ。スーパーのいなげやは平日しか働けない人も積極的に採用。「働く人の都合に合わせて人手確保につなげたい」と成瀬直人社長は話す。

「派遣でもやりがいがあり時給もよい仕事が増えた。定時に帰れて家庭と仕事を両立できる今のほうが、正社員の安定よりも魅力的」。広告会社の管理職だった女性(40)は昨年、ウェブコンサルティングをする派遣社員に転じた。

非正規の弱点だった将来の保障も充実しつつある。パートタイムの非正規も16年10月、従業員501人以上の企業のうち、労働時間が週20時間以上、月収が8万8000円(年収約106万円)以上などの要件を満たす人を厚生年金保険に加入させるよう、適用の対象が広げられた。

厚生労働省によると18年3月時点のパート労働者の加入者数は38万2841人と、想定の25万人を大幅に上回った。保険料は労使折半。日本総合研究所の山田久主席研究員は「企業は保険料負担より労働力確保を優先している」とみる。

しかし非正規は安全網がまだ脆弱だ。08年のリーマン・ショックで景気が急激に悪化すると、製造業の期間工らの雇い止めが相次いだ。人材投資も正社員に偏りがちだ。

一方、正社員も、時間でなく成果をもとに賃金を決める脱時間給制度(高度プロフェッショナル制度)などが自由な働き方の一つとして期待されるが、まだこれからだ。

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「同一労働同一賃金の徹底で正規・非正規の格差をなくしつつ、人材の流動化を進めていくことが地道な解決策だ」と指摘する。

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