2018年9月19日(水)

NTT、ドコモ頼み脱却 19年ぶりグループ再編

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2018/8/7 23:01
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 NTTがグループ再編を断行する。7日、NTTコミュニケーションズなどIT(情報技術)サービスを手がける子会社を統括するグローバル持ち株会社を設立すると発表した。NTT分離・分割から19年。携帯電話事業のNTTドコモに依存する体質が続いていたが、市場は飽和状態で同社頼みも限界が見える。新たな収益源を育てるため再編は不可欠だった。

 今回の再編は1999年のNTTの分離・分割以来の大型再編となる。この間、人々の通信手段は固定から携帯電話に大きく変わり、主力だった固定電話関連の売上高は99年度の4兆円超から17年度は4分の1の1兆円程度まで減った。海外事業も伸びず、NTTグループの17年度の売上高は99年度比18%増の約11兆8000億円。けん引役はドコモだった。

 ドコモは営業利益ベースで約6割を稼ぐ。国内携帯電話市場は1人が1台以上もつ飽和状態。ドコモに代わる収益源の育成は待ったなしだった。

 通信ビジネスはインターネットの普及で様変わりした。個人や企業の活動から膨大なデータが生み出されるなか、ネット経由でITサービスを提供するアマゾン・ドット・コムなどの米国勢が急成長する。NTTが再編で目指すのは、デジタル化を急速に進める企業・法人に対し様々なITサービスを一括して提供できる体制だ。

 今秋にグローバル持ち株会社「NTT」を設立する。持ち株会社の澤田純社長が社長を兼務する。NTTデータ、NTTコミュニケーションズ、2010年に買収した南アフリカのディメンション・データなど5社の株式を移管。NTTデータは株式保有比率などを変えずに上場を維持する。

 他の4社については19年夏をめどに海外事業、国内事業に分けて統合することを検討する。重複を解消して効率化し、競争力を高める。

 出資額5億ドル(約560億円)規模の投資ファンドも設立。人工知能(AI)など最先端のテクノロジー分野の成長企業を発掘する。

 新体制の強みはシステム構築からデータセンター、ネットワークまでを包括的に企業に提供できる点だ。個人の行動や企業の活動から膨大な量のデータが生み出されるなか、法人などのデジタル化を請け負うサービスの需要は急増している。

 ただこの分野はアマゾン・ドット・コムやIBMの米国勢が既に高いシェアを握る。7日、記者会見したNTTの澤田社長は「色々な商材をワンストップで提供できるのが強み」としたうえで、「能力はあるが(世界で)戦える構造ではなかった」とも話した。

 コンシューマー事業のてこ入れも課題だ。ドコモは携帯電話ビジネスだけでなく、消費者のデータを管理し、買い物から通信、決済までに関与し利益を得る事業モデルを模索する。ただ、この分野ではアマゾンなど米企業が先行しており競争環境は厳しい。

 ようやく取り組むグループ再編。グローバル競争の中で、スピード感をいかに出せるかが勝負の分かれ目となる。

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