違法残業、1万1千事業所 厚労省の立ち入り調査結果
厚生労働省は7日、2017年度に長時間労働が疑われた2万5676事業所への立ち入り調査で、約45%の1万1592カ所で労使協定の上限時間を超えて働かせるなどの違法な時間外労働を確認したと発表した。このうち74%に当たる8592カ所では、おおむね月80時間超の時間外労働が目安の「過労死ライン」を超えた労働者が確認された。
働き方改革関連法に盛り込まれ、大手企業で来年4月から始まる罰則付きの残業時間の上限規制は、「単月で100時間未満」「2~6カ月間の平均で月80時間以内」などと定めており、各事業所は対策が急務だ。
厚労省によると、残業が月150時間超だったのは1355カ所、月200時間超は264カ所あった。製造業が最も多く、運輸交通業、商業と続いた。上限規制では、運輸交通業に含まれる自動車運転従事者への適用が5年間猶予される。
ある飲食店では、従業員に最長月310時間の時間外、休日労働をさせていた。本社の取締役から圧力を受け、実際よりも短い労働時間を本社に報告していたという。
違法残業以外の違反では、残業代の未払いが1868カ所あった。
中小企業への上限規制の適用は大手よりも1年遅い20年4月となる。〔共同〕