2018年12月15日(土)

サマータイム 自民が論点整理へ 首相指示

2018/8/8 2:00
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安倍晋三首相は7日、夏期に全国一律で時間を早めるサマータイムの導入の是非を検討するよう自民党に指示した。2020年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策として検討する。これを受け自民は論点整理を始める。五輪まで残された時間はあと2年と少ない。暑さ対策の利点のほか、国民生活や経済活動への悪影響など短所を検証する。

首相は7日、大会組織委員会の森喜朗会長と首相官邸で会談した。森氏は「地球環境をどう持続していくのかという大きな見地で五輪を最大限、日本のレガシー(遺産)にしてほしい」と要請。森氏によると、首相は「大変国民の関心が高い。やるならば国民生活に影響する。業界にいろいろな意見があるから、党部会などで意見聴取をしてほしい」と応じた。

首相は会談に同席した党20年五輪・パラリンピック東京大会実施本部の遠藤利明本部長に検討を指示した。遠藤氏はこの後、党本部で岸田文雄政調会長と会い、議論の進め方を擦り合わせた。

党の検討は2段階で進める。まず、遠藤氏らが近くサマータイムなどを通じた低炭素社会の構築を目指す議員連盟を発足。利点や短所を洗い出す。議連で論点がまとまれば、党の政策決定機関である政調会に検討を申し入れる段取りだ。

遠藤氏は記者団に「超党派の理解を得る形をつくっていきたい」と野党にも法案の共同提出を呼びかける考えを示した。早ければ秋の臨時国会に議員立法で関連法案を提出する日程を描く。

利点としては五輪で屋外競技の選手が運動しやすくなる。日本標準時間を2時間早めれば、午前7時に設定するマラソンの開始時間は午前5時からとなる。省エネや温暖化ガスの削減効果も期待できる。余暇が増えれば消費の増加につながる可能性もある。

懸念されるのは国民生活や経済への影響だ。サマータイムに切り替える際は、航空機や電車のダイヤを組み直さなければならない。生活のリズムが変わるため、体調に悪影響が出るとの見方もある。省庁や企業のコンピューターなどのシステム変更も必要で、コストがかかる。公明党の山口那津男代表は「国民が生活の面でも業務の面でも有用だと認識できるかが重要だ」と指摘した。

東京五輪までの準備期間は残り2年と少ない。今秋の臨時国会で法案が成立しても、自民が想定する19年の試験実施には半年しかない。企業が十分に準備できるかは不透明だ。菅義偉官房長官は7日の記者会見で「競技の開始時間の前倒しなどの取り組みを進める」とサマータイムに頼らない対応策を提唱した。

サマータイム導入論はこれまでも、浮かんでは消えてきた。1993年には通産省(現経済産業省)に「サマータイム制度懇談会」を設置。95年の導入を目指したが先送りになった。95年には超党派の議員連盟が発足し、2008年まで計3度法案をまとめたが、いずれも党内の反発が根強く提出に至らなかった。

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