参院「特定枠」調整、派閥争いの火種に 総裁選後にらみ思惑

2018/8/7 23:00
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自民党は7日の役員会で、2019年の参院選で比例代表に新設する拘束名簿式の「特定枠」について、隣接県を1つの選挙区にした「合区」対象県の候補者に適用することを正式に決めた。合区の対象の「鳥取・島根」「徳島・高知」の両選挙区の県連同士で本格的な調整に入る。選挙区調整は候補者の出身派閥の利害が複雑にからむ。党内の火種になりそうだ。

二階俊博幹事長は7日の役員会後の記者会見で候補者調整について「全体を見ながら調整したい」と述べた。特定枠の導入は先の通常国会で成立した改正公職選挙法に基づく措置だ。比例代表で、政党が決めた順位に従い当選者を決める特定枠を導入し、合区の対象県で選挙区を失う候補者の救済を狙った。

特定枠に回る候補は比例名簿の上位に載り、自民党の場合、ほぼ自動的に当選できる状況となる。選挙区で必死に活動する必要はなくなるが、選挙活動をしない議員の地盤は必ず弱体化する。そのため合区対象区の議員は、自分に選挙区を割り当てるよう党内で働きかけを強める。

合区となる「鳥取・島根」「徳島・高知」の両選挙区では、来年の参院選で改選となる現職参院議員が4人いる。全員が選挙区から立候補する意思を示すが、このうち2人は特定枠に回る。

「鳥取・島根」選挙区では、島根を地盤とする島田三郎氏と、鳥取を地盤とする舞立昇治氏が選挙区での立候補をめざす。島田氏は竹下派、舞立氏は石破派に所属する。

16年参院選では、竹下派で引退した青木幹雄元参院議員会長の長男、一彦氏が「鳥取・島根」選挙区で当選。鳥取選出の石破氏が全面支援した。そのことが今回の総裁選で、参院竹下派が石破氏を支援する動きにつながっている。今回の総裁選で石破氏が竹下派に大きな借りを作れば、選挙区調整で妥協を余儀なくされる可能性もある。

「徳島・高知」選挙区は、16年参院選で徳島が地盤で麻生派の中西祐介氏が当選した。党高知県連では「来年の参院選は高知選出議員が出るべきだ」との声が多い。

同選挙区で19年に改選を迎える現職2人は麻生派、二階派にそれぞれ所属する。両派とも総裁選で安倍晋三首相を支持する主流派で、派閥拡大に積極的だ。今後の展開次第では主導権争いが生じるおそれもある。

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