2019年5月27日(月)

砂糖の国際価格が下落 年初比3割安、3年ぶり安値圏

2018/8/7 15:51
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砂糖の国際価格が下落している。天候の安定や生産の自由化でインドやタイ、欧州で大幅な増産が見込まれている。世界的な供給過剰が続くとの見方から先物価格は年初に比べ3割下げた。原料糖を輸入する日本の製糖会社のコストは下がるものの、物流費や人件費が上昇。国内価格の下げは海外相場に比べ緩やかなペースにとどまる可能性がある。

通貨安で砂糖の輸出が増える国も(ブラジルのサトウキビ畑)

通貨安で砂糖の輸出が増える国も(ブラジルのサトウキビ畑)

精製糖の原料になる粗糖の国際指標となるニューヨーク市場の先物価格(期近)は、1ポンド11セント前後。2日には10セント台前半まで下げ2015年8月以来の安値をつけた。

海外の主要な市場予測(6月時点)によると、2017~18砂糖年度(17年10月~18年9月)の世界の砂糖生産量(粗糖換算)は1億9520万トンと前年度に比べ8%増える見通しだ。

昨秋から今年にかけ、東南アジアの主力産地でサトウキビの成長に十分な雨量があった。インドの生産量は前年度比57%増の3429万トン、タイは同47%増の1564万トンになりそうだ。

欧州連合(EU)は砂糖の生産割り当てを廃止し、域内の増産につながった。生産量は同23%増の2154万トンと大幅な拡大が見込まれる。

世界最大の生産国、ブラジルの輸出量も3079万トンと前年度を2%上回りそうだ。原油高でサトウキビを燃料用エタノールに加工する動きが広がり減産になるものの、レアル安で輸出意欲が高まるとみられる。

消費は前年度比0.4%減の1億7881万トンにとどまる見込みだ。伸び悩む需要に比べ生産の拡大が進み、2年連続で供給過剰になる公算が大きい。

国際相場の下落で「主要生産国で採算が合わない水準になっている」(大手製糖)との指摘も出ている。住友商事グローバルリサーチの小橋啓シニアアナリストは「主要生産国は来年度以降需給の調整に動きそう。ただ在庫の消化には時間がかかる」とみる。

国内の砂糖価格(元卸)は目安となる上白糖が1キロ187~188円。海外安を背景に7月に値下がりしたものの、年初時点に比べた下落率は1%と、海外相場の下げに比べ小幅だ。

粗糖の値下がりは国内の製糖会社のコストの圧縮要因だ。一方で日本は国内農業を保護する糖価調整制度がある。粗糖の輸入額に調整金を上乗せしており、国際相場ほどはコストは急に減らない仕組みだ。

原料費以外で増えた経費もある。「物流費や人件費も上がった。現状のままでは粗糖のコストとは切り離し、値上げを要請せざるを得なくなる」(製糖会社)との声も上がる。砂糖メーカーは値下げに慎重な姿勢で、国内の値動きは限られるとの見方が多い。

▼糖価調整制度 安い外国産の砂糖に調整金を課す制度。製糖会社は調整金が上乗せされ高くなった粗糖を使って精製糖を作る。南西諸島や沖縄のサトウキビ、北海道の甜菜(てんさい)といった作物の生産者などを保護するのが目的だ。調整金はこうした生産者への補助金の原資になる。

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