東京医大入試「女性差別」 内部調査委が批判
06年度から点数操作、寄付金が動機

2018/8/7 14:33 (2018/8/7 18:47更新)
保存
共有
印刷
その他

私立大支援事業を巡る文部科学省汚職事件に絡み、東京医科大(東京・新宿)の内部調査委員会は7日、女子・浪人生を不利に扱う点数操作が臼井正彦・前理事長(77)=贈賄罪で在宅起訴=の主導で行われてきたとする調査結果を公表した。不正は遅くとも2006年度入試から続いていたという。

調査報告書によると、一般入試の1次試験での加点が確認されたのは2017年度で13人、18年度は文科省の前科学技術・学術政策局長、佐野太被告(59)=受託収賄罪で起訴=の息子を含む6人。1次試験では大学側が作成したリストに基づいて加点の対象が決められていた。一般入試だけでなく、推薦入試や地域枠入試でも操作があったとみられる。

東京医大入試の不正操作問題で記者会見する内部調査委委員長の中井憲治弁護士(右)ら(7日午後、東京都新宿区)

東京医大入試の不正操作問題で記者会見する内部調査委委員長の中井憲治弁護士(右)ら(7日午後、東京都新宿区)

点数操作は臼井前理事長が主導し、鈴木衛・前学長(69)=贈賄罪で在宅起訴=も追認。報告書は動機について、臼井前理事長や鈴木前学長に「同窓生の子弟を増やし、寄付金を多く集めたいとの思いがあった」とした上で、2人が「受験生の親から個人的に謝礼を受け取ることもあったようだ」と指摘した。

同大の大学新聞では「同窓生の子弟が入学困難」と公然と不満が表明され、「同点なら子弟を優先して入学させるべきだ」との要望も掲載された。同窓生の寄付は財政上も大きな割合を占めており、報告書は「同窓会から子弟の入学者数を増やすよう理事長や学長にプレッシャーがあった」と指摘した。

一方、性別や浪人回数でふるいに掛ける不正は遅くとも06年度から続いていた。報告書によると、出産、育児で離職したり、短時間勤務になったりしやすい女性医師を増やしたくない大学側の意向が働いていたとみられる。

調査委は、不正な操作が「長年にわたり、いわばあしき『伝統』のように行われていた」とし、「女性差別以外の何ものでもない」「受験生に対する背信行為」と批判した。

調査結果の公表を受け、東京医大の行岡哲男常務理事らは7日、記者会見し「入試で重大な不正が起き、社会の信頼を大きく裏切った。心からおわびする」と謝罪。追加調査のため第三者委員会を設置すると表明した。

同大は入試での不正を「根絶する」と明言。点数操作の結果で合格した学生について「(不正は)大学側が行ったもので、学生の地位を剥奪するのはふさわしくない」とし、処遇の検討を続ける考えを示した。不合格となった受験生への対応は文科省と協議しながら教授会で慎重に検討するとして、いずれも結論を先送りした。

事件で問題となった同省の私立大支援事業の助成金は自主返還する。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]