15年茨城豪雨で国を提訴 鬼怒川被災者、3億超請求

2018/8/7 13:24
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宮城、茨城、栃木の3県で8人が死亡した2015年9月の関東・東北豪雨で、茨城県常総市の鬼怒川の堤防決壊などによる水害に遭ったのは河川管理の不備が原因として、周辺住民らが7日、管理者の国に計約3億3500万円の支払いを求めて水戸地裁下妻支部に提訴した。

弁護団によると、原告は被災した19世帯と1法人。家財、建物の損害や慰謝料などを請求した。

鬼怒川は豪雨の際、常総市若宮戸で大規模に水があふれ、同市三坂町では堤防が決壊し、市総面積の約3分の1に当たる約40平方キロが浸水。5千棟以上が全半壊し、市内では2人が死亡した。

訴状によると、若宮戸地区にはもともと堤防がなく、砂丘林が自然の堤防になっていた。だが、掘削や建物を建築する際に河川管理者の許可を必要とする「河川区域」に国が指定せず、豪雨前に太陽光発電事業による掘削を放任したと指摘。その後の治水対策も不十分だったと訴えている。

また、三坂町で決壊した堤防の高さは周辺に比べて低く、経年による沈下が進んでいたのに、国が改修を急がなかったと主張。両地区からあふれた水は市中心部を流れる八間堀川の氾濫要因にもなり、被害を拡大させたとしている。

自宅と農業用施設が浸水被害に遭った原告の自営業、高橋敏明さん(64)は「国は河川管理を放置した責任を認めてほしい」と要望。原告側の只野靖弁護士は「人災の面が強い。同じような水害で苦しんだり、問題を抱えたりしている全国の河川の近くに住む人々も治水の在り方を見直すきっかけになるのではないか」と話した。

国土交通省関東地方整備局の担当者は「訴状が届いておらずコメントできない」としている。〔共同〕

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