【シリコンバレー=白石武志】米フェイスブックが対話アプリ「メッセンジャー」上で銀行取引情報を通知する新機能を検討していることが分かった。口座残高のほか、決済や送金に関する情報をリアルタイムで受け取れるようにすることで、フィンテック分野での対話アプリの利用を促す狙いとみられる。
サービスの実現に向け、フェイスブックが米国内の複数の有力銀行と交渉を始めていると米メディアが6日に一斉に報じた。交渉相手にはJPモルガン・チェースやウェルズ・ファーゴ、シティグループなどが含まれるという。
フェイスブックは同日出した声明の中で、銀行取引情報をやりとりするのは対話アプリ上に限ると説明した。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上の広告ビジネスに活用することは想定していないという。
ただ、フェイスブックを巡っては今年3月に発覚した個人情報の不正流用問題を契機にプライバシー保護に対する姿勢への批判が続いており、銀行側がどこまで協力するかは不透明だ。