EU、米のイラン制裁再開で対抗措置発動へ 共同声明
【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表と英仏独3カ国の外相は6日、米国がイランに対する経済制裁の一部を7日に再発動するのを前に、共同声明を発表した。声明では制裁の再発動に「深い遺憾の意」を示した。対抗措置として、イランに進出する欧州企業への米制裁の無力化を目指す「ブロッキング規則」を7日に発動すると表明した。
声明ではブロッキング規制の狙いについて「イランと正当なビジネスをしている欧州事業者を保護する決意だ」と強調した。米制裁の再発動に対して即座に対抗策を打ち出す方針だ。
ブロッキング規則は欧州企業に、第三国による経済制裁に従わないよう命じることなどが柱。1996年に米国の対キューバ制裁への対抗手段として制定されたが、これまで発動されたことはない。
欧州企業のイラン事業の撤退・縮小に歯止めを掛けられるのか、効果は不透明だ。欧州企業の撤退が広がれば、イランが核合意にとどまる見返りを失い、核合意が崩壊するとの警戒が欧州側では広がっている。
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