全国一律で時間を早める「サマータイム」の導入論が出ています。なぜでしょうか。
欧米ではサマータイムは広く導入されている(4日、フランス南部のマントンのテラス席で夕食をとる人たち)=Mandoga Media・DPA提供(AP)
(1)東京五輪の暑さ対策
サマータイムは日照時間が長い夏の一定期間、時刻を1~2時間早める制度です。欧米では導入している国が多いです。2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長は7月27日、安倍首相に導入を求めました。暑さ対策のためです。
(2)省エネや温暖化ガスの削減効果も
サマータイムを導入すれば、五輪の競技時間を実質的に前倒しにする以外の長所もあります。省エネや温暖化ガスの削減効果が期待できます。余暇が増えれば、消費の増加につながるかもしれません。
(3)実現するのか?
サマータイムを導入すると、混乱が生じる懸念もあります。夏時間に切り替わる際にはコンピューターのプログラムや航空・鉄道のダイヤ変更が必要です。菅義偉官房長官は慎重で、実現の道はまだ見えません。