2019年6月27日(木)

日本MS「20年にナンバーワンを」 クラウド事業で方針

2018/8/6 12:13
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日本マイクロソフトは6日、インターネット経由でIT(情報技術)サービスを利用できるクラウド事業で、2020年に国内首位を目指す方針を示した。業務ソフト「オフィス365」などで培った企業向けの強い販路を生かしながら、自治体なども含めクラウド導入を提案する体制を強める。この分野のトップを走る米アマゾン・ドット・コムを一気に追う。

日本マイクロソフトはクラウドを成長の軸に据える(都内で記者会見を開く日本マイクロソフトの平野拓也社長=6日)

「20年に圧倒的なナンバーワンのクラウド企業になる」。6日、都内で経営方針説明会を開いた日本マイクロソフトの平野拓也社長はこう強調した。クラウドとは、企業が自社でサーバーといった機器を持たなくとも、マイクロソフトなどIT大手のデータセンターを使ってソフトウエアを利用できるサービスのこと。世界、国内ともにアマゾンの「AWS」が首位を走る。マイクロソフトの「アジュール」は2位と追う立場だ。

AWSの強さの理由は06年から他社に先駆けてサービスを開始し、いち早く顧客基盤を作ったことだ。17年には1400を超える機能をAWSに追加した。追加機能数は15年の2倍の数に相当するなどサービスに磨きをかけている。アマゾンウェブサービスジャパンの長崎忠雄社長は「大手企業が雪崩を打ったようにクラウドを使い始めている」と指摘する。

マイクロソフトはどう対抗するか。武器となるのは「オフィス365」といった業務用ソフトだ。三井住友銀行はメールのほか、社内で使うチャット、ウェブ会議をマイクロソフトのクラウドで利用している。同行は新機能「マイアナリティクス」も導入した。例えば、同じ会議に参加する頻度が高い複数の従業員がいる場合、会議への出席を分担することなどを人工知能(AI)が助言する。

多くの企業が「働き方改革」を推進しようとする中、マイクロソフトは生産性向上につながるサービスを通じてクラウドを育てる戦略だ。平野社長は「顧客のデジタル変革のコンサルティングをする部隊を2倍にしたい」と強調する。

20年1月には基本ソフト(OS)「ウィンドウズ7」のサポートが終了するため、「ウィンドウズ10」への切り替えに合わせてクラウドへの移行も提案。サーバー向けのOS「ウィンドウズサーバー2008」のサポートも20年に終了することから、企業に対して自社でサーバーを持つ体制からクラウドベースに転換を促す。

自治体などへの提案も強める。日本マイクロソフトは熊本市の業務システムをクラウド化し、行政サービスの効率化を進めている。インターネット経由でITサービスを使うクラウドであれば災害対策にもなるとして、熊本市のクラウドを事例として西日本豪雨で被災した自治体などに提案していく。

IDCジャパンによると、17年の国内クラウド市場は5016億円。20年には2倍の1兆円近い規模になると予測している。マイクロソフトやアマゾンだけでなく、米グーグルや米IBM、富士通NECなど国内勢も商機をうかがう。混戦模様のクラウド市場で争いがさらに激しくなる見通しだ。

(杜師康佑)

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