2018年11月21日(水)

就活生は大手に絞りすぎ? 7月内定率、伸び小幅に

就活
2018/8/6 12:02
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人手不足で学生優位といわれる2019年卒の就活で、売り手市場ぶりにやや異変が出てきた。就職情報大手のマイナビ(東京・千代田)が6日発表した7月末の内定率は79.7%と高水準だが、前年同月からは小幅な伸びにとどまった。採用の早期化が進んでいるのに加え、学生が大手に絞りすぎた結果、金融機関などでは買い手市場の側面も出ている。

マイナビが1日に開いた合同説明会には約1300人が来場(東京・新宿)

マイナビが発表した19年春卒業予定の大学生・大学院生の7月末時点での就職内定率(内々定を含む)は前年同月比0.8ポイント増の79.7%だった。前月からは3.4ポイント増加し、1人あたりの内定保有社数は平均2.3社だった。

売り手市場を反映し、内定率は引き続き高水準ではあるが、例年よりも小幅な伸びにとどまった。今年と採用スケジュールが同じだった17年7月末の内定率は78.9%で前年同月を6.2ポイント上回っていた。

内定率にやや異変が出てきたのは7月からだ。ディスコがまとめた7月1日時点の内定率は81.1%で前年同月を2ポイント下回った。19年卒の内定率は今年3月から毎月発表しているが、前年同月を下回ったのは7月が初めてだ。

内定率が停滞している理由の一つは「採用の早期化」だ。経団連は19年卒の就活スケジュールについて、6月に面接解禁としていたが、マイナビの調査では解禁前の5月末に前年同月を7ポイント上回る60%に達していた。マイナビ・HRリサーチ部の毛塚友也課長は「企業の採用意欲の高まりで早めに内定を出す企業が多かった」と指摘する。

もう一つの理由は「活動量の減少」だ。ディスコによると、学生1人あたりのエントリー社数は7月時点で平均30.7社。前年同時期より8.9社減っており、3月から前年を下回る。売り手市場で就活への危機感が薄く、最初から大手に絞り込んで活動していた学生も多いとみられる。

ただ、大手企業への就職を巡る競争は激しくなっている。リクルートワークス研究所(東京・中央)によると、従業員数が5000人以上の企業の求人倍率は前年より0.02ポイント低い0.37倍。なかにはメガバンクなど採用を減らした業界もあり、大手に限れば買い手市場の様相だ。

大手に絞り込んで活動していたことで、6月の選考開始で「持ち駒」をなくした学生は少なくない。ここにきて内定率が停滞したのは「6月以降に選考が本格化する中堅、中小企業を受けている学生が少なかったのではないか」(ディスコ)との指摘がある。

大手企業の採用はほぼ終盤戦に入っているが、就活を継続する学生の姿も目立つ。マイナビが8月1日と2日に都内で開いたイベントには合計約1300人が来場した。イベントに来ていた私立大学教養学部4年の女子学生は「旅行業界を中心に3月から就活していたが6月で持ち駒がなくなった。内定がないので大手に限らず幅広く企業を探し始めた」と話す。

一方で、中小企業は学生の採用に苦戦している。東京商工会議所は7月上旬に中小企業約60社を集めた合同説明会を開いた。「大手に比べて知名度が低いため学生を集めるのが難しいという声が目立つ」。新卒にこだわらずに既卒や外国人に採用を広げる企業も多いといい、人材争奪戦は一段と激しくなりそうだ。

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