2019年2月22日(金)

働き方改革、四国でも 定休日新設したホテルも
法案成立受け 過労死なくならず

2018/8/4 6:00
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今国会で働き方改革関連法が成立したことを受けて、四国内の企業が対策を強めている。人事部が繁忙期に注意喚起したり、有給休暇を取りやすくしたりするなどの対策に動き出している。年中無休が一般的なホテル・宿泊業界では定休日を設ける動きも出てきた。四国内でも毎年、数人が過労で亡くなっている。長時間労働の是正とともに、生産性の向上を急ぐ。

タダノは2017年度に働き方改革のプロジェクトチームを設置した

働き方改革法では、残業時間を原則として月45時間、年360時間と定める。その上で繁忙期に配慮し、上限は年間で計720時間、単月では100時間未満と規定する。大企業は2019年4月、中小企業は20年4月から適用する。

多くの企業が法施行に向けて動き出している。クレーン大手のタダノは、17年9月に部長や課長など約40人が参加するプロジェクトチームを設置。働き方の見直しと生産性の向上の両立を目指して議論を重ねている。18年度の社員の目標管理シートには、働き方改革の自己宣言を記入する欄を設けて、社員の意識改革などを進めている。

四国化成工業は昨年秋から、繁忙期の残業時間の抑制に向けた取り組みを開始。前年度の労働時間を振り返り、繁忙期を迎える前に、人事部が本人とその上司に注意喚起して、仕事の進め方を改めるよう促している。

働き方改革を進めるには、現場の声が重要となる。「健康経営宣言」を6月に制定した高知銀行は、20歳代から60歳代まで男女10人の本支店の行員が参加する「ワークライフバランス推進委員会」で時間外業務の削減や有給休暇取得の促進について検討を進める。職場満足度や働き方改善策についての行員アンケート調査も実施する。

高知銀行人事部の深見英治部長は「第二地銀の平均よりもやや多めになっている残業時間を引き下げていく」と話す。

ホテル・宿泊業界でも働き方改革の動きが出始めた。宝荘ホテル(松山市)が道後で建て替えオープンした「宝荘ホテル道後御湯(みゆ)」では、6月から毎週1回(原則として水曜日)を定休日とした。宿泊の繁忙期を避けながら、年間で6カ月を対象とする。

利用者の反応や収益への影響を見ながら、将来は通年に拡大したり、グループの他のホテルに広げたりすることも検討する。同社の宮崎光彦社長は「定休日は(道後の)地域としても課題となってくる」と指摘する。

働き方改革法では、終業から次の始業まで一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル」の導入を企業に求めている。四国内では、不動産開発の穴吹興産が17年7月から開始。遅くまで残業しても10時間の休息が取れるように、始業時間を調整している。(辻征弥)

 厚生労働省がまとめた2017年度の労災認定件数によると、四国4県で脳・心臓疾患により労災認定を受けたのは6人だった。このうち過労死は4人で16年度から2人増えた。全国の過労死は92人で四国は4%強を占める。人口比が全国の約3%であることを踏まえると、四国での過労死は決して少なくはない。
 仕事が原因でうつ病などの精神疾患にかかり、労災認定を受けた人も四国内で相次いでいる。17年度は16人が労災認定を受けた。このうち過労自殺は1人で前年度より2人減った。
 全国では精神疾患の発症で506人が労災認定を受け、このうち自殺は98人。労災認定の理由としては「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けた」が88人で最も多かった。長時間労働の是正に加えて、パワハラ対策なども求められている。

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