2019年5月21日(火)

ジンバブエ、ムガベ独裁「負の遺産」重く 大統領選で現職勝利

2018/8/3 17:31
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【イスタンブール=佐野彰洋】アフリカ南部ジンバブエの大統領選で3日、同国の選挙管理委員会は現職のムナンガグワ大統領(75)が勝利したと発表した。透明性に欠ける開票プロセスや、治安部隊による野党支持者への発砲は、ムガベ前大統領の独裁の記憶を呼び覚ました。野党は結果を受け入れない構えで、ムガベ氏の「負の遺産」が重くのしかかっている。

「手を取り合い、新たなジンバブエをつくろう」。ムナンガグワ氏は3日未明(日本時間同日朝)、選管の勝利発表を受けてツイッターで国民の融和を呼び掛けた。

ただ得票率は当選に必要な過半数をわずかに上回る50.8%。対立候補で得票率44.3%だった最大野党・民主変革運動(MDC)のチャミサ議長(40)側は不正があったと主張する。MDCは3日、選管発表を「信頼できない。拒否する」と表明した。

1日に首都ハラレで起きた治安部隊とMDC支持者の衝突では6人が死亡した。非武装の市民への発砲は、野党への弾圧を繰り返し多数の死傷者を出したムガベ時代に似るものだ。

与党が勝利した議会選の結果は1日に判明したのに対し、大統領選の結果は3日まで待たなければならなかった。一部の投票所では公表が義務付けられた開票結果が掲示されなかった。各国の選挙監視団は「公平な競争ではなかった」(欧州連合)と指摘した。

1980年の独立から2017年11月の失脚まで、首相、大統領として君臨したムガベ氏は、白人農場主の土地強制収用や人権抑圧で欧米諸国の反発を招き、海外からの投資や援助は大幅に落ち込んだ。裏付けのない通貨発行で年2億%超のインフレも引き起こした。

豊かな農業国の面影は失われ、金やダイヤモンドなど豊富な天然資源の開発も停滞する。国際通貨基金(IMF)の推計によると、1人当たり国内総生産(GDP)は13~18年の間、1100~1200ドル台で足踏みしている。

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