2018年12月10日(月)

オウム裁判記録、永久保存へ 上川法相が表明

2018/8/3 14:53
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上川陽子法相は3日、閣議後の記者会見で、オウム真理教が起こした一連の事件の刑事裁判記録について、通常の保管期間満了後も「刑事参考記録」に指定し、期限を定めず永久保存するよう指示したことを明らかにした。松本智津夫元代表(麻原彰晃、執行時63)ら教団元幹部13人の死刑執行に関する行政文書も、同様に永久保存する。

端本死刑囚らの刑が執行された東京拘置所(7月26日午前、東京都葛飾区)

法務省によると、具体的な事件名を挙げて刑事参考記録の指定を公表するのは初めてという。

上川法相は「前例のない重大事件。二度とこのような事件が起きないようにするための調査研究の重要な参考資料となり得る」と指摘。「確実に保存して将来の世代に受け継ぐことも私の重要な責務と考えた」と説明した。「いずれは国立公文書館に移管されることを期待したい」とも述べた。

教団の一連の事件では192人が起訴され、2018年1月に全刑事裁判が確定した。法務省によると、このうち検察庁で保管する約190人分の刑事裁判記録を永久保存する。判決書や裁判で使った証拠に加え、公判に提出されなかった供述調書なども含まれる。ただ、保管期間を過ぎて既に廃棄された記録もあるという。

刑事確定訴訟記録法は、判決が確定した刑事裁判記録は検察庁で保管すると規定。保管期間は量刑などに応じて判決書は3~100年、それ以外の刑事裁判記録は3~50年と定めている。期間が経過すると通常は廃棄される。

刑事法制や犯罪の調査研究のため重要な参考資料と判断した場合には、法相が「刑事参考記録」に指定して保存する。指定の基準について、1987年の法務省刑事局長通達は▽死刑判決で終結した事件▽国政を揺るがせた犯罪▽犯罪史上顕著な犯罪▽無罪判決で終結した事件のうち重要なもの――などとしている。

7月末時点で722件が刑事参考記録に指定されているが、事件名は未公表。上川法相はオウム事件以外の事件名の公表について「関係人のプライバシー保護の観点を十分に考慮する必要があり、慎重な検討が必要と思う」とするにとどめた。

刑事裁判記録は、元被告の更生を著しく妨げたり関係者の名誉を著しく害したりしない限りは閲覧できるとされている。刑事参考記録は学術研究のために必要と認められれば閲覧できるとされている。

オウム事件などの刑事裁判記録については、学者やジャーナリストで作る団体が4月、刑事参考記録に指定して保存するよう求める文書を法務省に提出していた。

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