サイネージを音波で一斉更新、JALが羽田で実証実験

2018/8/3 20:00
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日本航空(JAL)は2018年8月1日、音波とデジタルサイネージを組み合わせて乗客へ情報伝達する実証実験を、羽田空港で報道陣に公開した。乗客が増えるお盆などでも重要な情報が乗客へ的確に伝わるようにするとともに、空港スタッフの働き方改革などにつなげる。2020年の東京五輪までに国内の全空港で本格導入を目指す。

スピーカー(左手前の2台)から出る音波でサイネージ(右奥)を一斉に書き換える

スピーカー(左手前の2台)から出る音波でサイネージ(右奥)を一斉に書き換える

ヤマハの音波通信技術「SoundUD」を使いシステムを構成した。国内線の出発ロビーで空港スタッフが手荷物の預け入れの締め切り時刻をアナウンスする際、専用のタブレット端末で時刻を入力すると、スピーカーから自動音声による定型文のアナウンスが流れる。同時に、定型文をヒトの可聴域より高い「音声トリガー」と呼ぶ音波に変換して、スピーカーから周辺に放送する。

この音波を、背面にマイクを取り付けたサイネージで受信。サイネージに表示する締め切り時刻のデータを自動更新する。締め切り時刻のほか、カウンターの位置や方面別のチェックインカウンターの案内なども、自動音声のアナウンスと連動して音波によりサイネージの表示内容を切り替える。

SoundUDの音波による情報伝達は、これまで受信用の「おもてなしガイド」アプリを入れた乗客のスマートフォン(スマホ)で閲覧する形式だったが、サイネージの書き換えにも応用した形だ。音声アナウンスと連動して近隣にある複数のサイネージを一斉に書き換えるシステムを、簡単に構築できるメリットがある。

従来は手荷物の預け入れの締め切り時刻などを乗客にアナウンスする際、出発ロビー内を歩き回りながら繰り返し大声で呼び掛けるなどしており、空港スタッフの負担が大きかった。今回のシステムでは乗客に対して音声とサイネージの両方で情報伝達できるため「これまでのように空港スタッフが動き回らなくても周知でき、乗客の乗り遅れも減らせる」(JAL空港企画室旅客グループの大西康晴氏)と期待をかける。

実証実験では、自動音声と音波を放送するスピーカーとして、ベンチャー企業のサウンドファン(東京都台東区)の「ミライスピーカー」を使用。同スピーカーは通常のスピーカーより距離による減衰が少なく、「30メートルほど離れたサイネージにも音波を届けられる」(JALの大西氏)とする。

サイネージはパナソニックの可視光通信技術「LinkRay」に対応したものを使っており、LinkRayのスマホアプリを起動してサイネージにかざすとチェックインに関連する情報を集めたWebサイトにアクセスできる。今回の実証実験では、アナウンス内容とWebサイトが連動していないものの、「Webサイトのコンテンツを動的に変更することで、アナウンスと連動したコンテンツを表示させることも可能」(パナソニック)としている。

(日経 xTECH/日経コンピュータ 金子寛人)

[日経 xTECH 2018年8月2日掲載]

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