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1時間100円 スマホ充電池、気軽にレンタル

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

外出時のスマートフォン(スマホ)の電池切れ対策として、持ち運びできる充電用バッテリーを貸し出すサービスが広がり始めた。据え置き型の充電端末にコインを入れて接続してその場で充電を待つ従来型に比べ、必要な時だけ借りて持ち歩ける。シェアサイクルのように借りた場所と異なる場所でも返せる。利用料金は安いもので1時間100円からと低額だ。

モバイルバッテリーのレンタルサービスは、2年ほど前から中国で広がり、今年に入って日本に上陸した。自販機サイズほどの貸し出しスタンドに、20個前後の充電池を格納するタイプが日本では普及し始めている。クレジットカードなどで決済すると充電池を取り出せる。利用時間に応じて課金、利用者は同じ運営業者が設置したスタンドであればどこででも返却可能だ。

観光案内所に設置されたチャージスポットの貸し出しスタンド(東京・渋谷)

東京電力エナジーパートナーは7月、充電池レンタルサービス「充レン」を始めた。まず都内の駅や商業施設で実験的に20台を設置しており、年内に貸出価格などを検証する。来年以降は全国展開したい考えで、2020年までに1万台の設置を目指す。

料金は翌日までで300円。その後24時間ごとに300円ずつ追加課金、4日経過すると3000円での買い取り扱いとなる。「カフェで充電しようとしたらコーヒー一杯分の出費は発生する」(同社)ことから、コーヒーの値段に合わせ基本料金を300円に設定した。

据え置き型端末を使った従来型のサービスでは、20分の利用につき100円が一般的とされる。単純比較は難しいが、利用時間当たりの料金は従来型より割安だ。「大容量で安いバッテリーが増えたことで、サービスが可能になった」(同社)

スマホをよく使う20代を中心に、貸し出し頻度は当初想定の2倍にのぼる。動画など電池を消耗するコンテンツが増えていることもあって、これまで以上に出先での充電ニーズが高まっている。商業施設に設置すれば集客効果も見込めそうだ。

モバイルバッテリーのレンタルサービスを起点に、それ以外にも収益源を広げて、さらに割安な料金でビジネスを展開する動きもある。

マーケティング支援を手掛けるインフォリッチ(東京・渋谷)が運営する「チャージスポット」。利用料金は1時間まで100円、48時間まで200円、それ以上になるとデポジット(預かり金)の1500円を徴収する。

同社のスタンドは大型モニター付き。今後これを広告枠として販売する計画だ。すでに300カ所を運営する香港では、近隣店舗のクーポンを発行する機能も持たせており、日本でも近くこうしたビジネスも始める考えだ。

充電池を借りるには専用アプリをインストールして、SNSのアカウントなどでログインする。ログイン情報とバッテリーを借りてから返すまでの位置情報をひも付けることで、ビッグデータとして商業利用する可能性も織り込んでいる。

スタンドは4月から、まず渋谷の商業施設や飲食店を中心に50カ所で設置しており、9月をめどに1000台の設置を見込む。海外では香港に加え、年内にタイなど東南アジアにも進出する計画だ。

充電池レンタルはシンガポールなどの東南アジアの一部や米国でもサービスが始まっているが、圧倒的に先行するのは中国だ。正確な市場規模の把握は難しいが「昨年秋時点で60万台以上」(東電)、「昨年末時点でユーザー数3千万人以上」(インフォリッチ)などとされる。

シェアサイクルやQRコードを使った決済など、スマホを使った新サービスで中国が先行するパターンが増えている。「人口が多くサービス当初からボリュームを出しやすいうえに、人件費も安く、うまくいけば国がバックアップしてくれる。中国は新規ビジネスを立ち上げやすい」と、香港でのビジネス経験が長いインフォリッチの陳日華社長は話す。今後、中国を後追いする形で日本でも新サービスが始まるケースが増えそうだ。

(商品部 高倉万紀子)

[日経産業新聞 8月3日付]

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