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米・トルコ、同盟に亀裂 牧師解放求め異例の制裁

【イスタンブール=佐野彰洋、ワシントン=中村亮】米国とトルコの同盟関係に深い亀裂が生じている。米財務省は1日、米国人牧師の拘束で主導的な役割を果たしたとして、トルコのギュル法相とソイル内相に資産凍結などの制裁を科したと発表した。トルコ外務省は「攻撃的な態度に同等の対応をする」と述べ、報復措置を示唆、制裁の撤回を要求した。

米政府は人権侵害や核開発への関与を理由に北朝鮮やロシアなどの政府関係者を制裁対象に指定している。ただ、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の閣僚に制裁を科すのは異例だ。トルコの通貨リラは急落、対ドルで過去最安値を更新した。トルコのアルバイラク財務相は2日、米制裁は「受け入れられない」と反発する声明を出した。

アンドルー・ブランソン牧師は2016年にトルコで起きたクーデター未遂事件に関わったとして逮捕、起訴された。7月下旬に自宅軟禁となるまで、2年近く収監されていた。

トランプ米大統領はブランソン氏の解放を繰り返し要求。7月26日には「トルコに大規模な制裁を科す」と警告したが、31日にはトルコの裁判所がブランソン氏の釈放申請を却下した。

米メディアによると、米政府内では7月、トルコ政府とブランソン氏の解放で合意したとの受け止めが広がった。だが、トルコは米国の対イラン制裁に違反したトルコ国営銀行への罰金見送りなどを交換条件に挙げ、交渉は決裂したもようだ。

サンダース米大統領報道官は1日の記者会見で「ブランソン氏は不当な拘束の犠牲者だ」とトルコを批判。トランプ氏がトルコの対応に「不満」を抱いているとした。

米政権内で交渉を主導してきたのはペンス副大統領だ。ペンス氏はブランソン氏も属するキリスト教福音派から厚い支持を受けている。11月の米議会中間選挙を間近に控え、手詰まり感のある外交交渉ではなく、制裁で強硬姿勢を示す必要があった。

米上院も1日、トルコによるロシアの最新鋭地対空ミサイルシステムの購入を理由に、最新鋭ステルス戦闘機F35のトルコへの引き渡しを禁じる条項を盛り込んだ国防予算案を可決した。

ポンペオ米国務長官は早ければ3日にもシンガポールでトルコのチャブシオール外相と会談し、牧師解放を改めて求めるとみられている。

米国とトルコが折り合えなければ、テロ対策などで両国の軍事協力が進まないリスクが強まる。トルコがロシアや中国との関係をさらに深めようと動く可能性もある。

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