大阪ガス、顧客囲い込みか 公取委が立ち入り検査
他社と契約しないように大口の契約先を不当に囲い込んだ疑いが強まったとして、公正取引委員会は2日、独占禁止法違反(私的独占、不公正な取引方法)の疑いで大阪ガス(大阪市)に立ち入り検査した。都市ガス小売りの全面自由化に伴う顧客の獲得競争が進んでおり、公取委は同社に新規参入業者への顧客流出を防ぐ狙いがあったとみているもようだ。
関係者によると、同社は少なくとも数年前から、大口顧客に対して、契約を自社に一本化した場合にガス料金を割り引きしていたが、一部解約した場合は値引き分全て返金を求めるという契約にしていた疑いがある。
また、他社と競合する顧客に対して料金を大幅に引き下げて、不当な価格で契約した疑いもある。
大阪ガスは公取委の立ち入り検査を認め「調査には誠実に対応していく」とコメントしている。
ガス小売り自由化は1990年代から進み、17年4月には都市ガスの小売りが全面自由化された。関西では関西電力などがガス小売りに新規参入している。
公取委は17年8月にも、取引関係での強い立場を利用し、ガス販売店にガスコンロや給湯器などのガス機器の購入を強制するなど していたとして、独禁法違反(優越的地位の乱用)の疑いで大阪ガスを立ち入り検査している。