2018年12月15日(土)

鉄道総研、超電導電線で省エネ効果 JR中央線で実験

2018/8/2 12:05
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鉄道総合技術研究所は電気抵抗がゼロになる「超電導ケーブル」を使い、東京都内のJR中央線で鉄道車両に送電する実験に成功した。400メートル超の区間で従来の銅ケーブルを置き換えたところ、消費電力を抑える効果を確認できた。鉄道運行の省エネ化につながる。実際の環境に近い条件で大電流を流せたことで、数年後を目指している実用化へ道筋をつけた。

中央線のそばに超電導ケーブルを敷設して実験した=鉄道総研提供

超電導ケーブルは、特殊な金属で作った電線を液体窒素で極めて低い温度に冷やすことで、電気抵抗をゼロにする。現在の鉄道では銅をケーブルの素材に使っているが、電力損失が大きい。超電導に置き換えれば、鉄道運行にかかる全体の消費電力を約5%減らすことが期待できるという。

中央線に隣接する東京都日野市内の専用施設内で実験した。終電後の夜間に、408メートルの区間を超電導ケーブルに置き換えた。線路上で停止している10両編成の列車10本に実際に電気を送り、車内の空調や照明などを動かした。解析した結果、通常に比べて消費電力を減らせた。

電車を走らせるには一定以上の電圧を維持する必要があるが、超電導ケーブルを使うと、電圧はほぼ下がらなくなった。従来は電圧の低下が9ボルトを超えていた。超電導の採用で、電圧を保つために数キロメートル間隔で設置している変電所の数を減らせる可能性がある。

今後は超電導ケーブルで送電し、列車を走らせる実験をする。ケーブルを長くした場合の効果も検証する。ケーブルを冷やす装置なども改良し、省エネ効率を高める。

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