2018年11月20日(火)

JDI、消費者向け製品に参入 eスポーツ向けも

2018/8/1 18:54
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経営再建中の液晶大手ジャパンディスプレイ(JDI)は1日、新規事業の戦略発表会を都内で開き、ディスプレー技術を応用した家具やヘルメットなど消費者向け製品への参入を発表した。売上高の8割を依存するスマートフォン(スマホ)に業績を大きく左右されてきた同社にとって、新たな収益源の開拓は差し迫った課題。4月に立ち上げた専任部署で収益化を目指す。

JDIが開発した「遅れ鏡」。普段は鏡だが内蔵ディスプレーで後ろ姿を確認できる

ヘッドアップディスプレーを搭載したヘルメットを発表するJDIの伊藤執行役員

「浴衣の帯の結び具合が簡単に確認できます」――。発表会でひときわ注目を集めたのが、鏡に映像を表示する技術を応用した「遅れ鏡」だ。普段は鏡として機能するディスプレーを内蔵しており、カメラに映った自分の後ろ姿を確認できる。家庭のインテリアや小売店の販促ツールとしての活用を想定している。

まず室内ドア専門メーカーの神谷コーポレーション湘南(神奈川県伊勢原市)と組み、遅れ鏡を組み込んだドアを2019年度に一般発売する。

車のフロントガラスに情報を映し出すヘッドアップディスプレー技術を応用し、シールド近くに情報を映すヘルメットの開発も発表した。走行速度や位置情報を確認できる。オートバイに加え、警備の現場やゲーム対戦競技「eスポーツ」への応用を想定する。

新規事業の開発を主導したのは17年10月に就任したマーケティング担当の伊藤嘉明常務執行役員。社内の各部署から集めた30人弱の専任部署で4月から構想を練り、数百件にのぼったアイデアから選んだ。

JDIの売上高のうち8割はスマホ向けの液晶パネル。収益の安定に向け、第二の柱と位置づける車載パネルに続く事業の創出が不可欠だ。伊藤氏は新規事業が本格的に立ち上がるのは「3年から5年後と考えている」とした上で、「消費者から直接フィードバックを得ることで、既存のパネル事業にも好影響が期待できる」と話す。部品・部材メーカーは完成品に参入すると顧客企業の市場を侵食する可能性があるため見送るケースもあるが、JDIは既存の顧客が手掛けていない分野に力を入れて競争を避ける。

英調査会社IHSマークイットによると、18年の中小型液晶・有機ELパネル世界出荷枚数は前年比1%減の約24億6000万枚にとどまる見通し。携帯電話向けの減少が響いた。韓国サムスン電子が折り畳みスマホ「フォルダブル」の開発を進めるなど、新たな搭載機器の開拓が業界全体の課題となっている。(龍元秀明)

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