2018年10月16日(火)

がんの標準治療広がる 全国400病院、実施率73%

2018/8/2 0:00
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国立がん研究センターは2日、2014年にがんと診断された患者のうち、専門医が推奨する治療法の「標準治療」を受けた患者の割合が73%だったとの調査結果を公表した。前年を1ポイント上回り、胃がんや肺がんなど9項目の標準治療のうち6項目で前年の実施率を上回った。同センターは「標準治療を受けられる体制が一定は整備されている」と分析している。

調査では全国の病院424施設でがんと診断された約56万人分のデータを分析。大腸がん、肺がん、乳がん、胃がん、肝臓がんの5種類のそれぞれの標準治療と、各臓器に共通する計9種類の標準治療の実施状況を調べた。

昨年公表した13年分より病院数が約130施設増加し、対象人数も約11万人増えた。

最も実施率が高かった肝臓がん切除の初回手術前に行う肝臓の機能検査で90.9%。前年より1.4ポイント減ったが9割を超えた。初期の肺がんに対する手術や放射線治療も88.7%と高かった。

一方、肺がんの手術後に行う抗がん剤治療は44.1%、乳がんで乳房切除後に再発リスクが高い患者が受ける放射線療法は35.7%にとどまっていた。

調査の公表は今年で3回目。実施率の全体平均は初回が68%、2回目が72%、3回目の今回が73%だった。

標準治療を実施しなかった理由のうち、患者などの希望や他の病気との兼ね合いなどの合理的な理由で取りやめた事例を除くと、9つの標準治療項目のうち6つで実施率が推計90%以上だった。

全国どの病院でも標準的な治療を受けられる医療体制の整備は07年に施行したがん対策基本法が目指す主要政策の一つ。同法成立前は病院によって治療法が大きく異なることもあり、医学的な根拠に基づいた学会のガイドラインなどに沿った標準的な治療法の普及が目標となっている。

国立がん研究センターの東尚弘がん臨床情報部長は「治療の質を充実させるため、各病院は標準治療を実施していない理由を詳しく調べ、適切に治療方針を検討したのかどうかを検証してほしい」と求めている。

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