2018年12月10日(月)

高知道、完全復旧に1年以上 山崩れで橋桁が流失
前例なく対策検討へ特別委立ち上げ

2018/8/1 18:15
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西日本豪雨による斜面崩落で橋桁が流失した高知自動車道上り線の立川橋(たぢかわばし、高知県大豊町)は、上下2車線に戻す完全復旧に今後1年以上の時間を要する見通しだ。道路の再架設だけなら1年程度で可能だが、前例のないタイプの道路損壊であるため学識経験者を交えた特別の委員会を作り、慎重に再発防止も含めた復旧手順を踏むためだ。

トンネル入り口手前の道路が押し流された。左が上り線、右が下り線(7月9日、高知県大豊町)=西日本高速道路提供

西日本高速道路(NEXCO西日本)四国支社の後藤貞洋支社長が1日、記者会見で明らかにした。当該道路は現在、応急措置として、損壊を逃れた下り線を使って上下1車線の対面通行にして運用を再開している。復旧の長期化は今回の橋桁流失が現在の道路技術の想定を超えた被害であったことを示す。

立川橋は全長64メートルで、7月7日午前3時ごろにトンネル横の山の斜面が崩落。橋脚3つを残し、橋桁など道路の上部構造物が押し流された。

通常なら、崩れてきた土砂は橋脚の間から流れて、上部の道路部分への負荷はかからないと考えられるが、今回は崩落した木が土砂をせき止めるなど、なんらかの理由で上部構造物を押し流すほどの圧力がかかったとみられている。

NEXCO西日本四国支社によると、斜面崩落で道路の上部構造物が押し流される道路損壊は確認できる限りでは前例がないといい、専門家による委員会で検討して再発防止に万全を期すことを決めた。

委員会は近くスタートし、道路損壊のメカニズムや、残った橋脚のダメージなどを詳細に点検し、道路再架設の手順などを決める。

立川橋の復旧にどれくらいのコストがかかるかは未定。委員会の検討結果次第で、橋脚の造り替えが必要になったり、崩落斜面の安全対策が必要になったりする可能性があるためだ。また、山はNEXCO西日本の所有ではないため、対策が必要になった場合、費用分担の問題もあるという。

高速道路の他の部分でも立川橋のような危険性のある箇所が存在する可能性も考えられそうだが、NEXCO西日本四国支社は、隣接の山などの所有権の問題などもあることから、今回の委員会は立川橋の再架設だけを検討する。

NEXCO西日本四国支社は立川橋のある高知道を、南海トラフ地震時の高知のライフラインと位置づけている。後藤支社長は会見で「今回も上下計4車線にしていたから下り線が残り、対面通行で応急復旧ができた。一刻も早く完全復旧を目指したい」と語った。

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