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盛岡競馬場を守り続ける 情熱あふれる21人

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2018/8/4 6:30
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みなさん、初めまして。ラジオNIKKEI入社2年目の小屋敷彰吾と申します。今後は「競馬実況アナ日記」で、自分なりの視点から競馬を伝えていきたいと思います。どうぞお付き合いください。

先日、生まれて初めて取材で訪れた盛岡競馬場は周りを山々に囲まれ、開放的な競馬場だった。取材した日はマーキュリーカップに加え、全国のジョッキーが腕を競う「ジャパンジョッキーズカップ2018」も行われた。トップ騎手の姿を一目見ようと、多くの観客が全国から訪れ、大きな歓声があがっていた。

この日、盛岡競馬場の馬場を管理する業務部専門官の斎藤晴一さんにお話を聞き、冒頭から衝撃を受けた。なぜなら斎藤さんをはじめ、わずか21人で馬場を管理していると聞いたからである。盛岡競馬場は約5万7000平方メートルもの面積があるため、当然、100人近くで管理していると思っていた。21人という限られた人数で、よりよい馬場へするための苦労と努力、そして取材を通して感じた斎藤さんの熱い思いを伝えたい。

地方競馬で唯一の芝コース

盛岡競馬場には地方競馬で唯一の芝コースがある。この芝は、いわゆる「洋芝」である。ケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラス、トールフェスクの三種混合で、芝コース造成に当たっては中央競馬の札幌競馬場をベースに様々なアドバイスを受けたという。芝の長さは11~12センチに設定している。芝の長さについては、これまでジョッキーをはじめ、調教師や様々な立場の人からいろいろな意見を聞いてきたという。極力、事故をなくすために試行錯誤してきた結果、現在の長さにたどり着いた。

岩手競馬は土、日、月曜日の3日間開催のため、開催を終えた翌火曜日に芝を10センチ程度まで短く刈り込み、あとは芝の生育具合に合わせて肥料を散布する。今年は芝の生育がよく、肥料を少なくしているという。生育がよいと一晩で1センチ近く伸びることもあり、そうした気候条件に合わせ調整を進める。休む間もなく開催日には水分計を使って馬場状態を調査し、さらにはレースが終わるとメンテナンスに入る。

盛岡のダートコースは、2コーナーの引き込み線の一番奥の地点から1600メートルがとれる大きさを誇り、看板レースのマイルチャンピオンシップ南部杯をはじめ、様々なレースで使用されている。このダートコースには、仙台市の北に位置する宮城県大和町の砂が敷き詰められている。斎藤さんが全国各地を歩いて、実際に触って確かめた上でこの砂を選んだ。大和町の砂は丸みを帯びていて硬くて丈夫。加えて、吸水率が少ないのが特徴である。降雪量が多い盛岡だからこそ、吸水率の低さがポイントとなったという。

ダートコースならではの管理の苦労話をうかがうと、「砂圧の調整」という答えが返ってきた。馬が故障すれば、真っ先に「走路に原因があるのではないか」と疑われてしまう。そのため、可能な限り事故を抑えようと、砂は浅すぎず、また深すぎずとならないよう調整しなくてはならない。ダートも芝と同様、多くの関係者から意見を聞いて試行錯誤の末、深さ11センチに設定することになったという。

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