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盛岡競馬場を守り続ける 情熱あふれる21人

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2018/8/4 6:30
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盛岡のダートコースは2コーナーの引き込み線の一番奥の地点から1600メートルをとれる

盛岡のダートコースは2コーナーの引き込み線の一番奥の地点から1600メートルをとれる

盛岡競馬場では、11月中旬まで競馬が開催される。何も手を加えない状態で気温が氷点下になると、ダートコースは凍ってしまう。それを防ぐため、盛岡競馬場でも中央の競馬場と同様、冬場はダートに馬場凍結防止剤を散布する。雪が降れば、もちろん除雪作業をする。競馬開催終了後は一度ダートコースを休ませ、春の開催に向けて2月上旬から除雪作業を始める。

芝コースは、雪の季節が来る前に6センチ程度まで短く刈ってしまうそうだ。その後は雪が積もり始めたら、あれこれ手を加えずにひたすら雪解けを待つ。積もった雪には保温効果があるので、いじらずに気温が上がるまで待つことが大切だ。「待つことが大事とわかっていても、毎年、気温が上がってこないと不安になるよ」。斎藤さんは芝コースを見つめてそうつぶやいた。

「事故の少ない、安全な馬場を」

斎藤さんに仕事の信念をうかがうと、ひときわ大きな声で「とにかく事故の少ない、安全な馬場をつくること」とすぐに答えが返ってきた。そのために365日、いつも馬場のことを考え、常に自分の目で確かめる必要があると、熱っぽく語った。それだけの熱意はどこから湧いてくるのか尋ねると、「日々、変化していくことが楽しいから」。斎藤さんは自宅で農業も営んでいる。馬場づくりは田んぼの苗を育てることと同じという。農業で馬場管理も雨量、気温など様々な気候条件に合わせて、常に変えなくてはならない。日々が勉強であり、試行錯誤する過程が面白いそうだ。

さらに馬場の管理に加えて、競馬場全体の景観をつくっていくことも自分の仕事だと強調した。来場した人にきれいだと思ってもらえるよう、コース周辺の植樹にもこだわっている。64歳を迎えた現在は嘱託として勤務し、自身のノウハウを伝えるべく、後輩の指導にあたる。より安全な馬場をつくるためには、自分が嫌われ役になってでも、気づいたことは全て伝えるようにしているという。

「私はあれこれいうから、たぶんうるさい人だと思われているだろう」――。斎藤さんをはじめ情熱を持った21人によって、盛岡の馬場は守られている。

(ラジオNIKKEIアナウンサー 小屋敷彰吾)

 各アナウンサーが出演、ラジオNIKKEIの競馬番組はこちらでチェック! http://www.radionikkei.jp/keibaradio2/

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