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日本ラグビー勝利への扉

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7人制ラグビー、五輪メダルへ日本代表の現在地

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2018/8/2 6:30
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もう一方の女子。順位は目標に届かなかったが、3度目のW杯にして初めての勝利を2試合目のブラジル戦で挙げ、続くフィジー戦でも接戦を制した。

今季のワールドシリーズでは苦戦。全大会に出場できるコアチームからの陥落が決まっただけに、「ワールドシリーズより自信を得られた」と中村知春主将(アルカス熊谷)は胸を少しなで下ろす。

女子、攻撃で持ち味も体力不足響く

男子同様、攻撃では持ち味を出せた。「自分たちが練習してきた、つなぐところやオフロードはできた」と主将が言うように、オフロードパスの回数は全チーム中3位。特に中村の8回は大会の全選手中で1位だった。その結果、ボール保持者の進行方向をうまく変えながら、防御ラインを突破することができた。

攻守の起点となるセットプレーでも善戦。自軍投入のラインアウトとスクラムは全てのボールを確保。キックオフも好調で、相手ボールは100%キープし、マイボールの再獲得率も22%で全チーム中3位に入った。

フィジーを破り、喜ぶ日本代表=共同

フィジーを破り、喜ぶ日本代表=共同

ただ、ボールを保持して組織的な攻撃ができた割に、得点は伸びなかった。ゴールラインまで走りきるスピード、密集戦でボールを守りきるパワー。男子と同じく、土台となる体力の不足が響いている。

1試合平均で23失点と、守備で苦戦した一因もここにある。敗れたフランス戦、イングランド戦では相手をなかなか1人で止めきれなかった。2人、3人と人手をかけ、空いたスペースに走られる。「タックルで倒しきるという根本ができていないと、システムが機能しない。まず倒すための筋力を上げたい」と稲田仁HCは言う。

海外出身選手がいないこともあり、「女子は男子以上に(強豪国との)フィジカルの差が大きい」と岩渕総監督。五輪までに埋めなければいけないピースはさらに大きい。

来季のワールドシリーズに一部の大会しか出場できないのは痛手だが、海外の転戦が減ることで生じる時間を生かし、「ベースの力を上げたい」と稲田HC。逆境を逆手に取った強化を訴える。

岩渕総監督は「タレント(新戦力)の発掘も含めて、我々がもっとやっていかないといけない」とも言う。

理想のモデルの一つが、陸上七種競技から転向した大竹風美子(日体大)。今大会では1人で走りきるスピードに、簡単に当たり負けないパワーも見せた。守備時の連係などに課題はあるが、密集戦の技術なども含め、楕円球に触れて僅か1年半と思えぬレベルにある。

男女とも世界で戦うための強みや、自分たちの色はできつつある。あとはメダルに届くだけの根本の力を培うことができるか。時間がかかる作業だけに、2年後に間に合わせることは簡単ではない。しかし、目指す場所までの距離、道筋がはっきりしたことで、前に進みやすくなったのではないか。

(谷口誠)

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